行政書士の資格に興味を持ち、取得を目指して勉強を開始する人の多くは、独学でスタートします。
実際、独学での合格は可能です。
「できる・できない」で言ったら、「できる」。
できますが、おすすめできません。
最低でも半年、順調で1年、およそ半数は2~3年の期間、修行のような日々が続くことは覚悟してください。
そもそも、「受かる・受からない」以前に試験までたどり着く人が少ない。
そのうえ、試験にたどり着いても、ごく一部の人しか合格できない。
厳しいですが、これが現実です。
もちろん、独学4か月で合格という方も、極々まれにいらっしゃいますが例外中の例外(0.何%の世界)。
経済的な理由等でどうしても独学しかできない方、自己啓発が目的で数年かけても問題ない方向けの内容になっています。
独学で合格するために最も大事なことはこれだ!
独学で合格するために一番大事なことはなにか?
あまり言いたくはありませんが、後悔や無駄な時間を使わなためにも最初に言っておきます。
舐めないこと
いきなりとんでもないこと言いだしたピヨ。
舐めないことの意味・内容を順に説明していきます。
独学での合格率ってどの程度?
独学で合格する確率はどの程度なのかざっくりと検証結果です。
私自身が受験時代にかなり気になった独学での合格率の話です。
当然ながら、厳密な検証はできませんし、緻密な数字にこだわる意味もありません。
(検証過程であるデーターを元に考察を行っていましたが、利用が禁止されたため結論のみ載せておきます。)
結論は、独学の合格可能性は2%程度。
この数字を見て、「ここに入りたい、むしろ燃えるぜ」という方は結構受かっていたりします。
壁の高さを正しく認識して、超えるための努力ができる人じゃないと厳しい。
独学で合格を目指すなら人より多くの時間と労力を投入する必要がある。
- 勉強効率をお金で買うのが予備校・通信講座。
- 学習効率の劣る独学は、勉強「量」で上回るしかありません。
ですが、
現実多くの人はその勉強量ですら予備校生に及びません。
詳しくはこちら
本当に独学で合格できると思いますか?
- コストをかけない、かけられないために、
- 学習効率が講座受講生よりも劣る。
- 勉強時間も予備校生より少ない。
- 相対評価の側面もあるため、現実問題、上位約10%に入らないと合格はできない。
コストを低く抑える選択肢を選んだ以上、効率をなるべく上げつつ、時間と労力で勝負するしか勝ち目がないのです。
- 金
- 効率
- 時間
3つの要素を満たさずに結果だけ得ることは難しいといっているのです。
だから、お金がかけられないのであれば、効率を追求し、時間と労力をより多く投入する必要があるといっています。
令和に入り、受験者が増加傾向です。
令和4年に受験料の改定(7.000円から10.400円へ値上げ)の影響で申し込みは若干の減少があったものの、受験者数はほぼ横ばい。
増加傾向は続き、さらに受験生全体のレベルも向上しています。
その中で上位10%に入る必要がある。
この上位10%の中には、法学ガチ勢(司法試験・司法書士が目標、または合格者)、法科大学院生、予備校生・複数回受験生などなどが多く含まれています。
独学で合格を目指すための戦略設定
さて、
それなりに高いハードルであることはイメージできたピヨ。
とはいえ、準備を完璧に整えていけば戦えます。
次に考えるべきことは
- どのくらいのリソース(時間や労力)を投入して、
- どの程度の目標を目指すのか、
- その目標を達成するためには何をどのようにしていくのか
になります。
- 少なくとも1000時間の学習時間を投入して
- 本試験で200点を目指します。
独学で行政書士試験の合格を狙うための勉強時間は?
必要な勉強時間は非常に情報の多いところではありますが、本気で合格を狙いに行くなら少なくて良いなんて話にはならないですよね?
独学で合格が難しい大きな要因は、勉強時間、勉強量が圧倒的に不足しているからです。
そりゃ400時間程度で合格できれば楽でいいピヨ。
間違っても短時間で楽して合格できると思わないでください。
確かに、世の中には初学であっても300時間以下の少ない時間で合格する人はいます。
それは事実です。
ですが、ただでさえ少ない独学合格者の中で短時間合格者は極々少数です。
背後で短時間で合格できるを信じて不合格になっている人は何千、何万人もいるのも事実なのです。
- 直前期になれば勉強量が足りなかったと思うことは何度もあります。
- 実際に自信を持てないまま本試験に臨むことになります。
- 実際に受験すると、本試験中も確実に取れたと確信を持てない問題が山のように出てきます。
1日何時間勉強する、という計画はどうしても無理が出ます。
週に何時間勉強できるかご自身のライフスタイルから算出してみてください。
1000時間の勉強時間をとるということが、仕事をしながらではかなり厳しいということが実感できます。
だから、隙間時間をうまく使いましょうという話が多いわけです。
目標得点は200点、200点目指したら180点取れる?
年により多少違いますが、大体合格者平均点が200点前後です。
- 平成30年、197点
- 令和元年、196点
- 令和 2年、195点
- 令和 3年、198点
- 令和 4年、197点
合格点である、180点ぎりぎりを狙うのはかなり難しいです。
200点をを狙って勉強して、結果180点で滑り込み合格。
目標:択一170点+記述30点(60点満点の50%)
滑り込み:択一160点+記述20点(60点満点の33%)
独学で学習初期から合格点ぎりぎりを狙うのは愚策です。
- 200点より多いと、細かいところに目が行きがちで効率が悪い。
- 逆に200点より低くては、学習量が不足してしまい合格はおぼつかないでしょう。
純粋に配点だけを見ると、行政法、民法、一般知識の順に配点が大きくなります。
では、一般知識も民法、行政法と同じくらい時間をかけて勉強するのかと言ったらそうではありません。費用対効果が悪すぎるためです。
年間の学習予定
では、1,000時間を投入して200点を狙いに行くために、どのような計画で進めていけばよいのかに入ります。
ステップを3つに分けます。
- 基礎期、学習スタート~4月末程度、目安200~300時間
- 理解期、5月~8月末程度、目安300~400時間
- 直前期、9月~本試験日、目安400時間以上
基礎期
学習スタートから、過去問演習をできるようになるくらいの知識を得るための時期です。
目安は200~300時間程度。
この時期は無理をせずに、でも止まらずに、勉強習慣と基礎をじっくり養ってください。
無理をする時期は必ず来ます。
息切れしないレベルでコツコツ続ける。
理解期
続いて、問題演習に取り組む時期に入ります。
今の時点では問題の正解、不正解に意味はありません。
理解を深める時期です。
問題の各肢がなぜ正しくて、なぜ間違いなのかじっくりテキストで探しながら学習します。
投入勉強時間:300~400時間程度
この時期までに試験範囲は過去問含め、最低限一通り抑えておく必要があります。
予備校の多くは夏までに試験範囲は網羅済みなカリキュラムが大半です。
伊藤塾の行政書士講座 ではかなり早い時期に一通りの学習は終わって、夏から直前期くらいの勢いです。
ここまでが土台作りです。
一ヶ月で100時間程度の学習ですので、無理なくこなせると思います。
スタートが遅い場合、ここまでの期間を短時間、短期間に圧縮する必要があります。
直前期
9月から本試験の11月2週までが直前期ということになります。
ここからは、予備校生だろうが、通信生だろうが、独学生であろうがやることはかわりません。
今までに作ってきた土台を完璧に自分のものにします。
具体的にどうすればよいピヨ?
理解期にやってきた過去問や練習問題をひたすら繰り返すの。
覚える、理解するではなく身につける感じだね。
とにかく反復が大事です。
マッチョに繰り返します。
暗記も必要になってくる時期です。
この時期になるとどこを暗記すればよいのかは自分で判断できるはずです。
地方自治法の議会で出てくる数字とか、憲法の統治などですね。
一番きつい時期に入ります。
400時間以上を2か月半で消費するため、一日のうちかなりの時間を勉強につぎ込む必要があります。
9月の時点で予想問題や模試を受けても合格点に達しない方もたくさんいますが、気にしなくて良い。
11月にブレイクスルーすればよいのです。
現に岡島はんは一度も模試で合格点取ったことがないピヨ。
模試ではなくて、予想問題集ね。形式は模試に似てるね。
予備校模試は仕事の都合で一度も受験できなかったの、伊藤塾の模試だけでも受けて秋桜会入りたかったな・・・・・・・。
具体的に何を使ってどのように勉強を進めていくのか
ここまでで、大体のイメージはつかんでもらえたと思います。
ここからはより具体的な勉強法、教材を基礎期から紹介していきます。
テキストを選ぶその前に、基礎期その1
いよいよ具体的に教材を選んでいきますが、
見る分には全然いいのですが、パラパラ見ただで実感すると思います。
分厚い!種類多すぎ!何書いてあるかわからん!
これが、普通です。
予備校や通信講座のテキストならいざ知らず、
市販のテキストを予備知識なしで読んで理解することは難しい。
範囲を絞って効率よく学習をするタイプの通信教育ですら10冊という会社もあります。科目ごとに一冊、計5~6冊で分厚いところもあります。
書店で買える市販のテキストの多くは1冊物です。
試験範囲、扱う分野は同じなのです。
では、1~2冊にまとめるとどうなるのか、前提知識を省く、説明を省略するしかないですよね?
よく勉強で言われているセオリーである、一冊で完結できるもの、なるべく薄いもがよい。
なんて話になるわけがないピヨ。
イメージとしては中学生が大学受験用の参考書を使って勉強しよとしているような感じです。
当然、厳しいです。
ですので、その前にやるべきことがあります。
詳しくは、↓↓↓
一見回り道のように見えますが、実はこっちの方がはるかに近道なのです。
これならわかります♪
こういう、小さな成功体験を積み重ねていく方がはるかに大切であり、早く、記憶にも残りやすいのです。
上記記事で紹介した本は必ずしも買う必要はありません。
古本で対応できるものは、古本で対応してコストを抑えておいてください。
私は、一部を図書館で借りました。
ここまでやれば、自分に合ったテキストを選ぶことができると思います。
自分が見やすいもの、解りやすいと思ったものでOKです。
ここで選んだテキストがあなたの相棒になってきます。
ですが、先生になってくれるわけではありません。
書きこみ、挟み込みをしながら本試験終了まであなたにとって唯一無二の相棒に成長させていきます。
独学でも最も時間がかかるのは基礎を習得するまで、基礎期その2
独学で学習していく中で最も時間がかかるのが、基礎を習得するまでです。
ここが早い人ほど期間を短くできます。
スタートが遅いなど、どうしても短縮せざる得ない場合、四の五の言わずにコストを投入しましょう。
勉強法を確立しよう。
基礎期~理解期・序盤問題集一周目まで
以後、本試験まではこちらを参考に
過去問演習を始める。理解期その1
ここからがいよいよ本番です。
最重要の過去問をやっていくのですが、過去問はとても重要です。
おすすめの問題集はこれ1つだけ、理解期その2~直前期
演習をやっていくのはいいのですが、どの教材を使えばよいのかという話になってきます。
おすすめの問題集はこちら
私も使っていました。
でたらめな数の問題が掲載されております。
これ全部やるのですか?
はい、そのとおりです。
それも、一回や二回ではありません。
本試験まで時間が許す限り何回も繰り返します。
最初の1周はとても時間がかかりますが、2周目、3周目と進むにつれ、どんどん加速していきます。
この膨大な数の問題をどれだけ自分のものにできるかで、合否はほぼ決まるといっても過言ではありません。何周回せるかが勝負です。
特に民法・行政法・憲法は必須です。
その他は、残りの時間や民憲行の進み具合で最低でも過去問ラインは死守する。
人に説明、解説ができる程度が目安です。
人に教えられる程度まで問題自体を理解できているか、前提の論点まで含めて振り返ってください。
独学の不利は圧倒的な学習量で凌駕する。
予備校や通信講座と独学の決定的な差は学習効率です。
いくら効率が良くても、学習量が不足していたら受かりません。
いくら効率が悪くても、圧倒的な学習量でカバーすることは十分にできます。
お金で効率を買うのが予備校であり、通信教育です。
行政書士試験は絶対評価の試験ではありますが、上位10%程度に入らなければ合格ができない相対評価の側面も強いのです。
学習効率か学習量のどちらかで圧倒しないと上位10%には入れないのです。
行政書士の資格を独学でとる価値は100万円以上ですか?
勉強を進める中で、必要性を感じたら、六法、判例集、予想模試、予備校模試、一般知識用のテキスト等を購入しても良いと思います。
一般知識用、政経社用のテキストと、判例集は必須レベルです。
それでも、全部市販ものであれば、3万円程度でしょう。
月あたり5千円程度の支出です。
家族で月に一度ファミレスに食事に行ってもその程度の額になりますよね?
あなたにとって100万円以上の価値があるか?ないか?
ただし、ここで機会損失のことだけは最低限頭に入れておいてください。
どうしても経済的に余裕がない人のために、独学で合格を目指せる手法を紹介しています。
そのためには1000時間投入する必要があることも話しました。
もし仮に、その1000時間を副業として時給1000円でバイトしたら100万円になります。
あなたにとって行政書士の資格は100万円より大きいものですか?
独学で目指すということは100万円以上の価値があるものを奪い合うと言い換えてもおかしくないわけです。
楽して、短時間で、短期間で合格を目指そうなどという思考になるわけがない。
全力でつかみに行くべきものです。
もし不合格なら100万円程度の価値を無駄にするのです。
本気で狙いに行くなら多少のコストは必要だとは思いませんか?
結果的に豊かになれるのはどちらですか?
舐めるなと言うのも、独学はすすめないのもこれが理由なのです。
何度でも言います、行政書士試験を舐めてはいけない、やるなら全力。