行政書士試験は過去問だけで合格できるのか?

行政書士を知る
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行政書士に限らず、資格試験において過去問は最も重要な教材です。

過去問をしっかり学習すれば、合格できる試験も多々あります。

 

行政書士試験は過去問だけで合格できるのですか?

 

 

行政書士試験に限れば、過去問だけで合格は難しい

さらに、過去問をしっかり学習しなければ合格はほぼ無理です。

 

過去問をしっかり学習しなければ、合格はほぼ無理。
過去問だけでは合格は難しい

一部例外があります。最後の方で説明しますね。
 
過去問を解けるだけ、過去問を覚えるだけでは難しいのです。
 
ですが、過去問は最高に効率的な教材であり、正しい使い方をすることで「過去問を使って過去問だけではない学習」ができます。
 
一般的な過去問の使い方は以下の2つが主流です。
 
 
  1. 過去問を何回も繰り返せば合格に必要な実力が身に付く
  2. 過去問と同じ問題はでないので、過去問は問われ方を知るための読み物である。

 

一見全く違う内容に思えますが、本質は同じことを言っています。

アプローチの仕方が異なるために全く異なる方法に思えますが、実はただのポジショントークです。

 

どの教材で、どのくらい勉強すればよいのか迷っている人は、最後まで読んでください。

 

では詳しく解説していきます。

 

  1. 過去問は最高に効率的な教材。
  2. 「過去問だけで合格した」という甘い言葉に騙されるな。「だけ」の意味が違う。
  3. 過去問活用法。
  4. 過去問以外の学習はどのように?
  5. 過去問効果の薄い分野(一部の例外)。

 

 

過去問は最高に効率的な教材だ

 

前年は過去問を8周したが歯が立たなかったピヨ

こういう体験談、非常によく聞きます。

では、実際にどの程度の点数で不合格だったのでしょうか?

 

歯が立たなかったという人でも140~150点が多数。

170点台の人も多いのです。

 

行政書士試験の合格点は60%の180点ですから、40~50%は過去問学習で取れる内容になっているわけです。

 

よって、過去問は非常に効率的な教材であるといえます。

 

重要

過去問だけでも、何回も繰り返すことで、40~50%程度の得点を取ることができる。

 

合格点までの残りの10%~20%をどうやって得点していくかが問題になります。

ですが、それ以前に既出の40%~50%を取れなければ、勝負にすらなりません。

過去問を学習しても同じ問題は出ないから意味がない!?

過去問をやっても合格できないという人は

 

過去問と全く同じ問題はでませんよね?

確かに、一言一句同じ問題はでません。

ですが、肢で見るとかなり頻繁に過去問と同じことを聞いてくる問題が出題されています。

イメージ
  1. 初出題
  2. 過去問既出の内容
  3. 過去問既出の内容
  4. 過去問既出の内容
  5. 初出題

バランスや順番は問題によりますが、5つの選択肢すべてが初出題の問題はそれほど多くありません。

 

過去問既出の選択肢が一つだけで、それが正解肢であることもあれば、

5つすべてが既出の選択肢である問題もあります。

 

過去問と同じ内容で出題される肢は多い

同じ内容で、聞き方は変える肢もあれば、全く同じ内容で問うてくる肢もあります。

 

例えば、

平成27年第14問と

平成28年第16問では3つの肢が同じ内容です。

 

なぜこの問題を例に出したのかと言えば、平成28年は行政不服審査法が全面改正後、初出題の年です。

 

問題そのものを載せることはできませんので、センターのHPかお手持ちの過去問集をご覧ください。

 

全面改正されたものですら同じ内容問われているのです。

つまり、

重要

改正民法初出題の2020年度の試験であっても過去問は重要

行政書士試験史上初めて補正措置がかかり、合格点が引き下げられた平成26年も、

法令が難しいといわれた令和元年も過去問と同じ内容を問う問題は多数出題されています。

 

記述も過去問から出題されている例が多い。

全部とは言いませんが、過去に問われたことがある論点、判例からの出題がかなり多いです。

択一⇒記述

というパターンがかなりありますので、過去問学習の重要性は高い

記述は一問20点で3問出題されます。

180点で合格の試験で記述の60点は合否を左右する配点です。

その記述の出題も過去問から出される可能性がそれなりに高いことろからも過去問の重要性はわかります。

過去問だけで取れるのは40~50%残りは?

では、残りの50~60%はどこから出題されているのかといいますと、

 

  1. 行政書士レベルの未出題分野
  2. 現場思考型の問題
  3. 過去問では対策が困難な問題
  4. 司法試験レベルの難問
  5. 行政書士名物である奇問

順番に解説していきます。

重要なのは1と2です。

ここをとれるかどうかで合否が変わってくるといっても過言ではありません。

行政書士レベルの未出題分野

本試験ではまだ問われたことはないが、過去問の内容に近いところという理解でよいです。

例えば、

  • 条文の一項は既出だが2項はまだ出ていない。
  • 本文は出ているが、但し書きが未出題。

のようなイメージです。

過去問を活用していく中で出やすい部分を予測できるようになってきます。

具体的な方法は後ほど詳しく解説します。

 

現場思考型の問題

本試験では必ずと言ってよいほど、見たことない判例、見たことない条文の問題が出てきます。

それらの中から、捨て問である難問と現場思考型の区別が必要になります。

現場思考型の問題は過去問レベルの考え方ができれば、何とか正解にたどり着ける問題。

 

過去問では対策困難な問題

過去問での対策が困難な分野は主に一般知識の政経社、基礎法学です。

ポイント

基礎法学と一般知識の政治・経済・社会の分野においては過去問はほぼ役に立ちません。

「こういう感じで引っ掛けてくるな」という分析には役に立ちます。

よって、1・2回程度は過去問に触れておく必要はあります。

 

難問、全くお手上げな問題も出てきます。

ここ数年あまりありませんが、以前は魔の30問と言われる恐ろしい傾向がありました。

 

民法で難問が出題される傾向が強いのが第30問でした。
例えば、平成19、23、24、26年このあたりの第30問見てみてください。

 

ですが、仮に1~2問法令科目で出題されたとしても合否への影響は少ないのでそこはスルーしましょう。

捨て問というやつです。

 

難問を意識しすぎて、自滅していく人が毎年後を絶ちません。

不安な気持ちはすごくわかりますが、手を広げすぎると自爆します。

 

行政書士名物の奇問

捨て問パート2です。

一般知識が多いです。

例を挙げれば、島の問題、作者の問題など、知っていればラッキー程度で、対策はほぼ不可能です。

 

「過去問だけで合格した」という甘い言葉に騙されるな。「だけ」の意味が違う。

過去問が超重要な教材であることは納得できたと思います。

でも、同時に疑問も浮かびましたよね?

 

  1. 過去問を何回も繰り返せば合格に必要な実力が身に付く。

    ⇒ 過去問だけを繰り返しても40~50%しか取れない。

  2. 過去問と同じ問題はでないので、過去問は問われ方を知るための読み物である。

    ⇒同じ内容を問う肢は頻出。

どちらも嘘だということピヨ??

そうではありません。

ポジショントークなのです。

「過去問レベル」に到達するまでのアプローチが違うというだけの話です。

過去問レベルについては別で詳しく話すことにします。

 

真実はカレーが教えてくれる。

カレーを作りに例えるのがわかりやすいと思います。

カレールーの裏側にはレシピが載っています。

 

  1. 野菜と肉を切ります。
  2. 炒めます。
  3. 煮ます。
  4. ルーを入れて完成。

 

 

非常にざっくりですが、こんな感じです。

料理を全然したことがない人にはわからないことだらけですよね。

 

  • ニンジンの皮ってむくの?
  • 適量ってどのくらい?
  • 切り方や包丁の使い方
  • 炒める順番

    などなど

 

レシピ(過去問)に載っていない部分をどうやって習得していくのか?

方法の違いなのです。

 

  1. レシピに載っていない所を実践の中で学んでいくのが、過去問を「何回も繰り返す」。

  2. 皮のむき方や・切り方など食材の扱い方を先に知った上で、過去問で具体的な実践をしていくのが「問われ方を知る」

 

どちらもカレーを作るという目的は変わらないのです。

過去問だけの「だけ」の意味が違う

先の例でいうとカレーはレシピ「だけ」を見て作ったのです。

 

  • カレーを作っているだけですが、切り方や炒め方などカレー以外のことも学んでいる。
  • カレーが作れれば、類似のハヤシライスやクリームシチューを作ることは家庭料理のレベルであればさほど難しくはありません。
  • カレーに関しても回数を重ねていくうちに、隠し味を入れてみたり、タマネギを飴色まで炒めてみたり、より自分好みの味になるように工夫をするようになってきます。

 

このようなカレーつくりで学んだカレー以外の技術が家庭料理のレベルでできることが、過去問だけでは届かない残り10~20%を得点していくうえで非常に重要になります。

これを応用力や思考力と表現する人もいます。

 

過去問活用法

では、具体的に過去問をどのように使っていけば、過去問だけではない過去問学習ができるのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

過去問を軸に過去問だけではない、活用法を紹介します。
 

過去問を解くだけではもったいない

 

そもそも、過去問演習をどのようにやってますか?

この問題は正解が3ピヨね。では次の問題ピヨ

解いたら終わりにしていませんよね?

各肢ごとになぜ〇で、なぜ×なのかもきちんと理由を理解する必要があります。

根拠がテキストのどこにあるのか、過去問とテキストをリンクさせます。

記載がなければ、書き込むか、メモに書いて挟み込みをしていました。

出題実績をテキストに転記していくと発見がある。

 

小さくメモ程度でOKです。

例えば「H30、15-1」みたいな感じです。

これは、平成30年度問題15の肢の1を意味します。

 

手間ですが、3つのことがわかります。

 

  1. どこが頻出なのか?
  2. そのテーマの中で未出題はどこなのか?
  3. 自分の苦手な分野、テーマ

 

過去問をテキストとリンクさせると、出題センサーが磨かれる。

テキストと過去問をリンクしていくと頻出のテーマなのに未出題のところがあることに気が付きます。

 

ここが大事

出題頻度が高いテーマで未出題の条文や判例は抑えどころ

 

誰もが知っているテーマで未出題の有名判例(判例集に載っているような)や条文はしっかりと抑えておく必要があるということが、実感としてわかると思います。

 

過去問の周辺分野と言われるものです。

合格までの残りの得点を獲得できるかどうかが大きく変わると私は考えます。

 

行政法で具体的な実践例

 

初学者の方には何言っているかわからないと思います。

ここは飛ばしてOKです。

行政事件訴訟法の取消訴訟以外の訴訟では取消訴訟の訴訟要件準用してます。

めっちゃ頻出の重要分野です。

過去に出題されたところに同じようにメモ入れておきます。
すると、

  1. 頻出だ、重要だという意味が分かりますよね?何度も何度も聞かれています。
  2. まだ出てないところがどこかわかりますよね?

この2が大事です。

  1. 1は過去問既出ですので絶対に理解できなくてはいけない。

  2. 2が今後出題されてもおかしくないところ、と予測できる。

過去問+αと言われるゆえんですね。
むやみやたらと手を広げずにかつ過去問を活用して残りの合格点もぎ取るには効率の良い方法であると私は考えています。

 

過去問は何年分やればよい?

よくある質問ですね。

結論から言いますと、

過去問は何年分?

手に入る範囲でできる限りやりましょう。

理想は試験制度が現行の形になった平成18年度から現在までになります。

しかし、現実問題、改正民法に対応した平成18年度以降のすべての過去問は手に入りません。

妥協案で10年分です。

過去問が難しくて勉強が進みません。

これもよくある質問です。

結論を言いますと、

実際の本試験問題なわけですから、難しくて当たり前です。

身も蓋もないピヨ。

過去問が難しいのは当たり前

ですが、それ以前にきちんとインプットで理解していれば、勉強が進まないということは、あまり、ありません。

少しはあります。そういう分野は無視して進みましょう。

この点については実験しています。

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この記事を書いた人

岡島 真

 

 

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