行政書士は5月からはじめても合格できるのか?
結論:できる。
時間的な余裕は全くありません。
正しい努力を継続できることが必須。
5月から合格を目指すための条件
10か月~1年程度の期間をかけてじっくりと勉強を重ねていくのが一般的。
さらに、合格者の多くは法学経験者や複数回受験生が占めています。
その中で、他の受験生より短い期間で挑むのであれば、相応のリスクを取る必要が出てきます。
大切なのは、効率×時間
勉強時間の確保
この時期からのスタートの場合日常の中でまとまった勉強時間を確保する必要があります。
1日1時間程度ではとても間に合いません。
ではどのくらい必要?
「可能な限り」としか言えません。
仮に、5時間とか答えたところで専業受験生や学生でないと実現不可能。
「使える時間はすべて勉強につぎ込んだ」
よく聞く合格者の答えです。
私も、帰宅後の机に向かえる時間はもちろん、移動中や仕事の休憩中などのちょっとした時間も勉強に回していました。
人のよってはトイレでも(私はしていない)。
とはいえ、目安は知りたいでしょうから参考値として、初月は100時間程度を目安に考えてください。
ただこれは合格に十分な時間ではなく、合否を争うレベルに到達するための最低ライン。
内、80時間程度が机に向かう時間で、残りが隙間時間のイメージ。
週に直せば、机に向かう時間が20時間程度。
週5日は日当たり2時間で、休みの日は日当たり5時間。
(週休2日であれば)これで20時間。
はっきりいってかなり少ないのですが、多すぎると別の問題が出てきます。
この点ついては少し後に話します。
効率の追求
時間を確保すればそれでよいわけではありません。
効率もとても重要です。
ですが、じっくりと自分に合う勉強を探している余裕もありません。
プロの指導を受けることを強くすすめます。
ただ、通学予備校は立地にもよりますが、通学時間のロスが痛いので通信がおすすめ。
後程、3つ候補を上げます。
参考にしてください。
継続なければスタートラインに立てない
時間の確保が可能で、ある程度効率的な勉強ができるとしても、続くかどうかは全く別の問題。
1ヶ月程度であれば、誰でも継続は可能。
しかし、3ヶ月以上になれば多くの人は続けることはできません。
時間的な余裕があれば、無理のない計画で継続性を高めていくこともできますが、5月スタートの場合その余裕はありません。
継続性を重視すれば、学習量が足りず。
学習量を重視すれば、短距離走のように、早期に息切れします。
このバランスを意識したのが、先程の初月100時間です。
最初の3ヶ月は無理なく習慣化
最初の3ヶ月は徐々に時間を増やしていく。
無理のない範囲で進める。
無理をすると本試験までにやめてしまいます。
悲しいですがこれが現実。
途中であきらめてしまう人のほうが多い。
そのくらい、働きながら長い期間勉強を継続するというのは難しいこと。
継続面からも、講座の効果は高い。
決して安い買い物ではないが、「ここでやめたら損」の意識で継続性はかなり変わる。
むしろ、安い買い物であれば継続性への効果は見込めません。
効率・継続共に講座は独学をはるかに上回ります。
【勝ち筋への戦略】やるべきこと、やるべきではないことを明確にする。
残りの時間は長くない。
むしろ、短期に分類される期間です。
出題範囲をまんべんなく学習する余裕はすでにありません。
やるべきこととやらないことを明確にする必要があります。
得点計画、150+30を狙う
300点満点中180点で合格。
このうち、記述式が60点満点。
とはいえ、記述で満点を取るのはまず無理。
(厳しい年は)合格者でも記述10点とかざら。
とはいえ、記述抜きで180点取る余裕はない。
なので現実的なねらいは150点+記述30点。
記述30点狙うということは民法と行政法の手は抜けないということ
ここで重要なことは、学習比率を民法と行政法に置くということ。
勉強をすすめていくと、一般知識や会社法が気になってきます。
しかし、重要なのは(記述の出題もある)民法と行政法です。
この2科目が柱であると、最初に頭に叩き込んでください。
この2科目が過去問レベル以下であれば記述30点はよほど強運な場合に限られます。
無理といっても過言ではない。
最重要は過去問
過去問で取れるのは全体の40~50%です。
過去問だけで合格点を超えることはできません。
逆に考えれば、40~50%取れるという最も効率的な教材です。
もっとも重視すべきところ。
残りは、取らせる気が最初からない問題、現場での法的思考力で答えを出させる問題など。
狙って取りに行けるのは過去問。
会社法をどうするか?
時間的に捨てるのはありです。
その分の時間を民法と行政法に回すのであれば戦略的にあり。
もちろん、会社法の勉強をできるのであれば、やったほうが良いに決まっています。
この辺は考え方の分かれるとこです。
民法・行政法の網羅性を上げるのであれば、捨てるのはあり、
逆に、過去問レベルまでしかできないのであれば捨てる選択肢はありません。
おすすめは、主題傾向が露骨な部分だけをポイントで抑える。
この点もアガルート速習の紹介記事で詳しく解説しています。
一般知識をどうするか?
一般知識対策でやるべきことは一年かけている人とさほど変わりません。
文章理解・情報通信・個人情報保護をしっかりと、後はそれなり。
政経社も気になりますが、とにかく費用対効果が低い。
そのうえ、取れる人は勉強なしでもそれなりに取れます。
残り時間は少ない徹底的な効率化を
繰り返しになりますが、行政書士試験において5月からの半年程度の時間は短期に相当します。
十分な時間であるとは言えません。
試験までの残り時間はどうあがいても増えません。
そのため、効率に拘った勉強が必須です。
ですが、効率ばかりを探し求めて、勉強しなければ意味がありません。
効率×時間
パワープレイに走っている余裕はない
過去問は最重要ですが、過去問だけをぶん回せばよいということはありません。
「読書百篇意自ずから通ず」的な学習も十分な時間と根気があればできるのでしょうが、自ずから通ず前に試験が来ます。
インプットである程度理解。
問われ方を知るため、知識の定着のためのアウトプットとしての過去問。
体験的にもこのほうが短期では伸びが良いと考えます。
短期学習に特化した講座を受講すべし
短期に特化したノウハウと、理解までの時間を大幅に短縮できるのが「短期特化講座」です。
通年の基幹講座と比べてどうしても、合格率が下がるのはやむなしですが、それでも独学と比べれば別の世界。
毎年のことですが「もっと早く受講していれば良かったです」という人がかなりいます。
5月であれば遅くはありません。
独学で煮詰まっている人も軌道修正可能な時期です。
5月からのおすすめ短期講座3選
5月から始める人、独学の軌道修正用におすすめ講座3選
アガルート速習カリキュラム
短期講座の中でも特殊なカリキュラムなのが、アガルート速習。
アガルート速習の特徴は、民法・行政法・一般知識は基幹講座そのままのフルサイズ。
代わりに、憲法は人権分野のみの講義、会社法は頻出分野のみという他社と違う特殊カリキュラム。
5月からであれば最もおすすめできるカリキュラム。
アガルート速習について詳しく紹介しています。
資格スクエア速習合格講座
短期に強い講師が特徴の資格スクエアの新コース。
2022年は初開講で4ヵ月の超短期コースのみであったが、多くの合格者インタビューの数はそのたった4ヶ月での成果。
思った以上に多かったというのが素直な感想。
通年講座よりは、要点を絞り、4ヶ月講座よりはしっかりと学ぶのが速習講座。
価格的にも10万を切ってくる、コスパ内容とも充実のコース。
内容は、重要論点をしっかり押さえていくオーソドックスな内容。
アガルートとは中身は別物だと思ったほうがよく、アガルートが特殊。
バランスなら資格スクエアや後述のフォーサイト。
主要科目特化ならアガルート。
フォーサイトバリューパック3
短期に特化しているわけではないが、内容的に短期向けの内容なのが、フォーサイト。
内容は、重要論点をバランスよく抑えていくオーソドックスな要点集約型。
テキストの見やすさはトップクラス。
講義力も高いが、アガルートや資格スクエアの講師が講義力の怪物なのでどうしても‥‥。
パックの1.2では物量不足のため、使うのであれば3がおすすめ。
ただし、価格は資格スクエアとほぼ同額のため、好みで。
利用者数はかなり多い。推定8,000人ほど。
独学では絶対に無理だとは言わないが
独学では無理ですか?と問われたら
不可能ではない。がおすすめはしません。
が答えです。
独学はより時間を費やしても、勝つ確率の低い選択です。
もしあなたが、法科大学院の学生であったり、予備試験対策をしているのであれば独学で十分でしょう。
ですが、初学者であったり、宅建レベルであれば独学はおすすめできません。
数百人に1~2人くらいは5月からでも独学で合格しています。
それは事実です。
ですが、それをあなたはできますか?
また、仮に5月から独学で合格できる能力があるとしても、より効率を高めるほうが合格の確率は高くなります。
年に一度しかない機会、可能な限り勝ち筋を太くする方が賢明な判断だと思いませんか?
とはいえ、「無理だと言われたら余計燃える。絶対やってやるから見てろよー」という熱い方割と好きです。
やるべきことは変わりません。
インプットとアウトプットをバランスよくすすめていく。
独学について詳しくはこちらの記事で紹介しています。
かなり長いですが、参考にどうぞ。