行政書士試験の勉強を始めてみると範囲の広さと、覚える量の膨大さに圧倒されます。
短期(半年未満)で捌けるボリュームではないと感じます。
でも、世の中には数ヶ月で結果を出している人もいます。
なんで、こんなに少ない時間で結果が出せるんだ。
きっと、すごい魔法の勉強法があるはずだ!
いや、そもそも頭の良さが段違いなのだ!!
こういう考えが頭をよぎったことはありませんか?
私はあります。
などなど、
大前提
最も注意すべき点は、勉強法を探している時間に勉強したほうが近道の場合が多く、効率を求めすぎで量が伴わない方がはるかに問題。
効率の良い勉強法はありますが、魔法の勉強法はないのです。
いくら効率が良くても、量が少なければ意味がありません。
そのうえで、自分に合った勉強法を見つけるための3つのキーワードを見ていきましょう。
キーワードのどれか一つでは足りません。
掛け算になっているかが重要です。
個別具体的な勉強法を伝えるわけではありません。
時期により効果的な学習法が(私の場合は)異なっていました。
序盤は理解に重点、直前期は定着が重要なので反復に重きを置いていたからです。
科目・時期・苦手意識や合う合わないで最適解は異なります。
自分に合った勉強法を探すためのポイントに絞ってお伝えしてきます。
あくまで参考程度にとどめておいてください。
そんなこと言わずに、参考程度でよいから勉強法も併せて教えてくれという人もいるでしょう。
そんな方にはこちらの記事を
自分に合った勉強法を見つけるための3つのポイント
世の中には多くの勉強法が紹介されています。
どれが自分に合っているのか?すべて試していては時間がいくらあっても足りません。
ですが、自分の経験や家族含め身近な人たちの協力で効果的な勉強法に外すことができないポイントがありました。
以下の3つ。
反復、繰り返すことで身につく
一度見ただけで覚えられたら誰も苦労はしません。
覚えたつもりでも、時間がたてば忘れてしまいます。
そのため、反復・繰り返しが効果的。
繰り返すことで、記憶を定着させ、次第にスキル化していきます。
反復によるスキル化は勉強などの知識面だけでなく、技術的、身体的技術習得にも効果的で、人の学習能力を利用した非常に効果的な手法です。
一度スキル化してしまえば、簡単には忘れません。
忘れていても、何かのきっかけで思い出すことができるようになります。
もちろん長期間何もしなければ、失ってしまいます。
特筆すべきは、スキル化した知識は類似分野でも応用が利くようになります。
リンゴの皮が包丁で剥ければ、じゃがいもやニンジンの皮も剥ける。
どの程度繰り返せばよいのか?
答えはありません。
人によるとしか言えない。
数回で身につく人もいれば、暗記で止まってしまう人もいます。
科目どころか項目によっても差が出ます。
暗記で止まってしまっていることに気が付いたら、他の方法を試してみるのが良いでしょう。
暗記までの努力が無駄になることは、ほぼありません。
単に反復だけすればよいわけではない。
鬼反復が一時期行政書士受験界で爆発的に流行りました。
肢別問題集を無限高速周回するというやつです。
では、その流行で合格者数が爆発的に増えたのでしょうか?
行政書士は絶対評価の試験、合格点を超えれば全員合格。
過去平成14年に爆発的な合格者数を出したこともあります。
答えはNOです。例年と大して変わりません。
では、この勉強法は効率的ではなかったのでしょうか?
それも、NO。
合う合わない以前に、社会人が独学かつ半年程度の時間では膨大な範囲、ベースとなる考え方や用語に慣れるまでかなり時間がかかり、スキル化までたどりつけない。
料理でいう少々や適量がわからないけど、シェフのレシピを真似て何度もついくれば料理は上手くなるか?
と同じような感じ、うまくなる人もいるが、少々や適量といった基礎知識があったほうが早い。
行政書士試験でいえば、民法の静的安全と動的安全、行政法では憲法の考え方などは直接問われることは少ないが、塩少々や適量に該当。
掘り下げすぎると沼なので注意、塩少々が親指と人差し指の2本指でつまんだ量が目安なのと同様、大人と子供・男女で指の大きさ変わるが、(細かすぎるので)大体こんな感じでOKくらいの感覚。
高速周回に効果はある。
思い出すことで、脳に負荷をかける。脳の筋トレ。
自分に合った勉強法を見るけるためのキーワードの2つ目は思い出す。
アクティブリコールといわれることもあります。
文字通り積極的に思い出すことで脳に重要な情報だと認識させるメソッド。
脳を筋トレするイメージ。
やり方は工夫次第で様々。
例えば、テキスト数ページ読んで、閉じる。
その内容を思い出しながら書き出す。
など、工夫次第で様々な使い道がある。
もちろん、インプットしてすぐに問題を解くというベーシックなやり方も同じ。
アウトプット、使ってみる。
アウトプットを重視しない勉強法を見ることはあまりありません。
ですので、補足程度。
アウトプットは問題を解くことと、とらえている人もいるかと思いますが、半分正解で半分間違っています。
実際に使ってみるイメージでOKです。
先程の「思い出す」の例で「読んだ内容を書き出す。」を上げましたが、これもアウトプットです。
「やってみて、言って聞かせて、させてみて」
という名言があります。
この「させてみて」がアウトプット。
見よう見まねで「やってみる」ことが大切。
アウトプットの注意点としては、インプットを完璧にしてからアウトプットは効率が良くない場合のほうが多い。
ざっくりとインプットしたらアウトプット。
スパイス配合同様、どれかではなくバランスで相乗効果をもたらす。
これら3つのキーのどれかがあればよいというわけではなく、バランスが重要。
学習初期から高速回転はできません。
やれたとして、ただ正誤を覚えるだけになってしまいます。
逆にゆっくりじっくり丁寧に勉強をしていては、試験の頃には最初の頃に学んだことを忘れてしまっています。
文章理解の問題を一言一句書き出せるようになってもさほど意味はありません。
科目や進捗でバランスを取っていくことが肝要。
これがベストという方法を提供できれば良いのですが、私にとってベストであっても、あなたにとっては効率が良いとは限りません。
試行錯誤しながら自分に合った方法を見つけることができれば、合格以上の価値があると思いませんか?
本当に効果的なのか試してみた。
小学生の息子が漢字50問テストで2割程度の正答率で再テストになりました。
ちょうど良い機会なので、息子に勉強のやり方をレクチャー。
先の3つのキーワードを取り入れて、勉強してもらいました。
結果は、1時間程度の勉強で、翌日の再テストで正答率9割ちょいに伸びました。
取れなかった1割も忘れたのはわずかで、跳ねやはらいなどで減点。
具体的な方法
50問すべてを一気に丸暗記は無理だと判断、5問ずつに分割して覚えさせます。
- 1~2分間見て覚える(インプット)
- 白紙に覚えた答えを書く(アウトプット)
- 書けなくてもすぐに諦めないで、30秒程度思い出す(思い出す)
- 忘れた・間違ったところ答えを見て覚えなおす(インプット)
- 間違ったところだけを白紙に再度書き出す(アウトプット)
- 全部かけたら、もう一度①に戻る(反復)
- 2~3回目の⑤まで来たら次の問題に移る
文字にすると工程が多いですが、実戦は5~10分程度。
最後に、全体を一気に解かせて終了。
翌朝、登校前に再度全問解いてもらいました。(これも反復と思い出す)
結果いい点が取れて喜んでいましたが、親としては複雑な問題も発生しました。
やり方を覚えてやればできるという自信がついたのでしょうが、再テストになったらまたこのやり方でちょっと勉強したら合格できると言い出しまして…‥。
再テストになる前に取り切る努力をしません……。
案の定、次回テストも再試験に。
慣れてきたので、次は50問10分割ではなく、半分の5分割10問ずつでやりました。
数か月後に同じテストをやらせました、正答率は多少下がっているものの相当程度覚えていて、最初からやってくれよという思いで複雑です。
勉強法的には効果があるとわかった反面、非常に複雑です。
「具体性のないぼんやりした話だ」と感じた方も多いのではないでしょうか?
この記事の内容は、ダイエットに例えればわかりやすいかと思います。
ダイエットの基本は、カロリー管理と運動だということは誰しも理解していることでしょう。
だからこそ、これだけ飲んでいれば暴飲暴食しても大丈夫、運動しなくても痩せれる。みたいな文言は疑ってかかります。
それでも、この手のものは世にあふれています。
この記事でお話ししたことは、なぜダイエットにはカロリー管理や運動が必要なのか?と同じ程度の話。
具体的に何をどの程度食べて、どの運動をどのくらいという話はあえてしていません。
勉強法にも同じことが言えるのです。
極基本的な考え方をお伝えしているの過ぎません。
できる人であれば、無意識に行っている行為を無理やり言語化しているだけです。
他の記事で具体的に勉強法に触れているものもありますが、鵜呑みにしないでください(参考程度に)。
私にとっては最適であった、最適であると考えている方法であってもあなたの環境と状況にあうとは限りません。
私が知らないだけで、もしかしたら魔法は存在するのかもしれません。
ですが、この試験にだけ通用する魔法にさほどの価値を感じません。
もし本当に勉強法に迷っているのであれば、実績のあるプロの講師の言うとおりにやることからはじめて見るのが良いでしょう。
行政書士試験受験生で講座の受講生は少数派であるのに対し、合格者の中では講座受講生が多数派です。
この動向は変わっていませんし、今後も簡単には変わらないでしょう。
多くの合格実績のある講師が提供する方法はベストではないかもしれませんが、ベターである可能性は極めて高いです。
とはいえ、行政書士講座はたくさんあってどれが良いのかわからない。という方は下の記事を参考にしてください。