誰しも、学習開始時はやる気に満ち溢れているのが普通です。
本屋にいきなり駆け込んで行政書士試験用のテキストを買いたくなる気持ちはわかります。
ですが、まだ買ってはいけません。
行政書士用のテキストは本試験のレベルに対応できる内容で書かれています。
基礎知識ゼロの初心者にわかるようには書かれていません。

基本知識、予備知識がないうちからいきなり読めるものではありません。
それこそ、中学生が大学受験用の参考書を使って勉強するのと同じ。
多くの人があっという間に挫折する原因でもあります。
- いきなり行政書士用のテキストを買ってはいけない理由
- 行政書士試験用のテキストを買う前に読んでおくべき本
- テキストは薄いものがよい?セオリーをぶっ壊せ、テキストの選び方

いきなり行政書士用のテキストを買ってはいけない理由
例え予備校の出版しているテキストであっても、受講生用のテキストと市販のテキストは全くの別物です。
理由を知ってもらえれば、いきなり市販のテキストを買ってはいけない理由がわかります。
予備校や通信講座とのテキストの違い
資格予備校や講座のテキストは予備知識がゼロからでもわかるように作りこまれています。
分量は圧倒的に講座の方が多いです。
講座によって冊数、ページ数は異なるが、
- 各科目ごと
- 科目でも分冊されて、計10冊
- 少年ジャンプや少年マガジンレベルのテキストが数冊
一方で、市販されているテキストは多くが一冊です。
紙面や価格の問題があって一冊にまとめられているわけですが、当然そこには違いが出てきます。
市販の書籍一冊でまとめられるほど試験範囲は狭くない
そもそも、行政書士の試験範囲をゼロから勉強する人に向けて書くとなると、一冊でまとめるのは至難の業です。
でも、商業ベースで考えると一般の人でも気軽に買える価格で、適度なボリュームでないと書籍として成立しません。

高校や大学受験では薄いものを選ぶのがセオリーです。
そのため、電話帳レベルのボリュームのうえ、どうしても価格が上がってしまう網羅的なテキストは書店では売れない本という扱いになってしまいます。
講座テキストの要約版が市販テキスト
どのテキストでも、重要な語句や判例は大体網羅されています。
ですが、説明や解説の分量が段違いなのです。
ではどうするか?解説をコンパクトにするか、
網羅性をあきらめて出題頻度の高い分野に絞るしかない。
ですが、出題頻度の高いところに絞った対策では厳しいことが令和元年の試験でも実証されたのです。
この差をどう埋めるのか
ただでさえ、講師の解説があって、そのうえわかりやすいテキストがある、予備校や通信講座と
価格やページ数に縛りがあり情報量で差がある市販のテキストでは、圧倒的不利であることは明白です。

でも、独学者はその差を何らかの手法で埋めなければならないピヨ。
では、どうやってその差を埋めていくのか?
テキストが読めるレベルまで予備知識を入れる必要があります。
予習をしよう、行政書士試験用のテキストを選ぶ前に読むべき本
いきなりテキストを読んで理解できないのであれば、理解できるレベルまで予備学習をする必要があります。
結構どこでも紹介されている超有名どころですが、私も実際に使ったものばかりです。
用語や概念になれるため法律の基礎を学ぶ
まずは、こちら。法律を学ぶための基礎がわかりやすく、面白く書かれています。
一般向けに書かれているため、実にサクサク読めます。
そのうえ、読み物としても面白く、受験生でなくてもお勧めしたい一冊です。私は、図書館で借りて読みました。古本でもOKです。
憲法
憲法は国家試験受験のための よくわかる憲法 第7版を読みました。(手持ち確認したら第5版でしたが)古本でもOKです。
行政法
行政法はタイトルからしてわかりやすそうな
新版が出されています。古本を使う場合行政不服審査法の改正後のものを使用してください(平成28年)。
民法
さて、2020年大改正される民法です。古本は使えません。
行政書士試験の中でも最も難しいのがこの民法です。
基礎の基から理解していくのが近道で、実際に私が使ったのは(初版のほうですが)
第2版は改正対応してます。
その後、
こちらを読めばテキストも十分理解できるはずです。
改訂第5版は改正対応されている新版です。
セオリーをぶっ壊せ。テキスト選びのポイント
おすすめした本はどれもわかりやすく、サクサク読めると思います。
重ねると、すごい分厚さになります。
ですが、いきなり行政書士用のテキストを使用するよりもはるかに速く進みます。
間違っても暗記しようとか、全部覚えようとか思わないように。
さて、ここまできてようやくテキストを選びに入ります。
正直どれも性能に大差ない
身も蓋もないはなしですが、市販されているテキストの性能に実は大きな差はありません。
どれも、比較的よくできています。どれを選んだら合格しやすいとかありません。

先に上げた本を読んでいるなら、すでに自分で比較できるだけの力はついているはずです。
自分にとって見やすい、解りやすいテキストを選べば問題はありません。
ただし、
なるべく分厚いものか、分冊されているものの方が良い
資格試験に限らず、勉強のセオリーとして参考書や問題集は薄いものを何度もこなすというのがセオリーです。
ですが、こと行政書士試験用のテキスト・問題集に関してはそれが当てはまりません。
理由は、先ほども言いましたが、試験範囲を無理やり一冊にまとめているのが市販のテキストですので、一般的な薄いものを選ぶセオリーとは前提条件が違うのです。
扱う範囲が同じである以上、説明が充実している可能性が高いのは、分厚いものであり、分冊されているものなのです。

それでも、予備校や講座のテキストに比べたら分量が少ない
テキストは自分で育てていくものです。
実際にテキストを使いだし、過去問を解いていく中で記載されていない情報が山のように出てきます。
載ってないから使えないではないです。
載っていない情報は付箋に書き込んでテキストに貼り付ける、メモを挟み込む、直接書き込むなどして自分専用のテキストに育てていくのです。

テキストはあなたと共に成長していく無二の相棒です。
禅問答のようですが、これが失敗しないテキストの選び方
冒頭にもいいましたが、初心者がいきなり行政書士用のテキストで勉強するのは、中学生が大学受験用の参考書を使って勉強しるのと同じです。
絶対に無理なわけではありませんが、わからない、進まない、苦痛であるの三重苦が待っているだけです。
予備知識がないという事実を受け入れ、わかるところから進めていく方が何倍も効率的なのです。
そして、予備知識が付いたころには自分に必要なテキストが自分で判断できるようになっています。
これが、失敗しないテキスト選びのコツなのです。
どのテキストを選べば合格できるか、などということはありません。
どのテキストを使っても合格する人はします。
肝心なのは、自分が信じたテキストを使いこなして、勉強を積み重ねていくことです。
ゆえに、自分で選ぶ、そのための力をつけることが初めの一歩なのです。