【18社比較】行政書士講座の合格率・合格者数はどのくらい?

通信講座
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講座選択において実績が重要であることは言うまでもありません。

とはいえ、行政書士講座で実績に比較はかなりややこしくなっています。

そこで、主要18社を調査、掲載実績をもとになるべくシンプルに比較。

調査したまでは良いのですが、半数も公開していないのが現実です。

とはいえ、わかること・推察できたことが多々あります。

また、なぜ実績表記がややこしいのかも触れていきます。

講座選びの参考になれば幸いです。

さらに、合格者のどの程度が講座利用者であるか知りたいと思ったことはありませんか?

私は、受験時代かなり気になっていました。

ですが、納得できる回答が当時はありませんでした。

推定になりますが考察してみます。

行政書士講座合格実績

まずは調査結果から

集計時期は2022年10月

対象:2021年試験結果。(2022年試験実施前、各社の結果が出そろうのが夏、それから選んでいたのでは遅い)

各社公式サイトにて明示されているものに限定。

基本情報
2021年度行政書士試験結果
合格率 :11.18%
合格者数:5.353人
  • 黄色マーカーはアンケートベース
  • 緑マーカーは合格体験記数
  • 「除」は合格体験記の記載はあるが、年度不明につき除外。(2021年実績に限定)
  • 空欄は未公開
  • 資格スクエア:2022年が初開講(リニューアル)のため実績なし。
  • L・A:行政書士講座販売停止中(撤退?)

合格率を比較

まずは最も気になるであろう%表記(合格率)ですが、明記していたのは3社4講座に限られます。

高い・低い以前に前提として合格率表記は信頼できるのか?ということろから話していく必要があります。

次いで、各社の合格率の推移を見ていきましょう。

合格率での実績表記は信頼できるのか?

アガルート・フォーサイト・LEC s式(以下本科生と区別のためS式と略)に関しては一定の信頼性はあると考えます。

しかし、LECの合格率は参考程度。

lecの合格率は参考程度の理由

2021年度最も合格率が高いのはLECで53.8%であるとは言えません。

※2021年パーフェクトコースに含まれる模試3回全てを受験した方のうち、いずれか1回でも模試の得点が180点を超えた方を指します。
上記合格率は2022年3月1日時点のものです。

出典:https://www.lec-jp.com/gyousei/kouza/start/

ポイントは

  • 本試験での結果ではない
  • 模試3回すべてを受験した人
  • どれか一回でも180点を超えた人

とはいえ、LECの模試は難しく、合格点を出せる方は実力者。

本試験でもそれなりの結果は出ていると考えるのが妥当。

ただ、数値としては参考程度であり、2021年度において最も高い合格率を出した講座であるとは言えない(最も高い可能性を否定できるわけでもない)。

残り3社の合格率の信頼性はそれなりにある

残り3社の合格率の信頼性をどう考えるのか?

これらはアンケート形式での集計。

性質上アンケート以外での集計は難しい。

そのため、「それなりに信用性は高い」と考えてよい。

  1. 講座を受講し
  2. 使用し、学習し
  3. 受験した人の合否

が集計対象の可能性が高い。

この講座を使って、勉強したらどのくらいの成果が得られるのか、という点で信頼性はある。

受講を検討している人たちには十分な指標である。

(注意点)学習において該当講座だけの成果であるかはわからない。

特に、合格率をアンケート集計で公開している3社はそれぞれ特徴が大きく違う。

特徴を簡単にまとめると

  • アガルート・LEC :資格予備校型カリキュラム
  • フォーサイト   :要点集約型カリキュラム
  • s式        :インプット特化の補助教材

合格率の推移

では各社の合格率の推移を見ていきます。

過去分は見れないものが多いですが、当時公式サイトに記載されていた数字をメモとして残しておいたものです。

端数は四捨五入

合格率の推移①アガルート

合格率
201765.5
201846.7
201972.7
202067.2
202142.1

まずは、個人的に一押しのアガルート。

特徴を一言でいうと、用法・容量は老舗予備校と同等なジェネリック講座。(英語のジェネリックは一般的という意味だが、後発薬・ジェネリック医薬品的なニュアンスで使用しています。)

実績面は同等以上で、特に2019年72.7%が高すぎて「嘘だ」といわれたほど。

合格率が嘘くさいほど高いのは、当時まだまだマイナー講座であり受講生自体が少なかったことが大きい。

2021年表記で3年前と比べ受講生が3.14倍。

分母分子とも数が小さいため、%表記がぶれるのは当然と言えば当然。

この点を考慮しても十分な数値であり、実際に使用してみても充実した内容であることは確か。

内容に沿った結果であると考えています。

【独学とは別世界】アガルート入門総合カリキュラムを使ってみて【かつての苦労は・・・・】
 最近話題のアガルートってどうなの?どこがが、どう良いの?独学とどう違うの?お金を払って受ける価値があるの? こういった...

懸念点は、学習期間が短いと消化不良になる、半年以上が目安。

//無料講義もたくさん見れる公式サイトはこちら//

アガルート行政書士講座

合格率の推移②フォーサイト

フォーサイト合格率
201742.8
201837.3
201942.6
202041.3
202138

要点集約型講座で唯一合格率を公開してるのがフォーサイト。

受講者数が多いため、数値はアガルートに比べ安定しているのが特徴。

要点集約型でこの実績はすごいの一言。

アガルートや次のLECとは中身が別物なので注意

フォーサイトの特徴は、合格点ぎりぎりを狙う講座。

学習量は(予備校カリキュラムに比べたら)かなり少ない。

反面、苦手や捨て分野が作れないのが痛い。

効率は非常に高いので、4~5ヵ月での挑戦に向いている。

また、完璧に覚えないと気が済まない完璧主義の方にも向いている。

//公式サイトはこちら//

フォーサイト行政書士講座

合格率の推移③LEC

LEC合格率
201765.7
202045.7
202153.8

繰り返しになりますが、本試験の結果ではなく、あくまで模試での実績。

2018・2019は記録がなく‥‥。

S式に関しては2021年のデータ(35%)しかありません。

資格予備校としてもっとも有名なLECですが、行政書士試験としてみると、近年いまいち元気がありません。

伝統もノウハウもある予備校ですので悪いとは思いませんが、取り立てて推すポイントも見つけらない。

横溝先生は健在で活躍されていますが、価格が高い‥‥。

内容云々というよりプロモーションが今の時代にあってないのかもしれません。

講座の特徴を簡単にまとめると、

PS:トラディショナル資格予備校
S式:インプット特化の補助教材

LECの合格率は模試とはいえ、参考にはできる。

模試自体が難しいため、かなりの実力者ぞろいであるといえるから。

S式の35%はちょっと、個人的には信頼していません。

というのも、2021年度のテキストの説明に、「民法・行政法の3分の2が解ける」と記載。

ということは、主力科目の67%取れるということになるのですが、足りません。

法令科目全体で67%なら戦えます。

なぜ、科目制限かかっているかと考えれば、憲法や商法はそれより低いからだと考えるのが自然。

とすれば、テキスト全部覚えたとしても、合格ラインぎりぎりに立てるどうかという数字。

稼ぎどころの行政法で67%はかなり厳しい。

とはいえ、内容価格ともに補助的な側面が強く、独学ガチ勢が軌道修正に使用したと見れば納得できる範囲の数値。

ちなみに紙媒体のテキストは別売り。

合格率の算出には金も時間も手間もかかる。それでも知りたい数字。

合格率を出しているのは、18社調べて3社4講座です。

なぜこんなにも記載されないのでしょうか?

いくつも理由があるとは思いますが、大きい理由として「合格率を出す必要がない」

こういった調査にはどうしても、費用と手間がかかります。

何の見返りもないアンケートに答えてくれる人はごく少数です。

見返りがあったとしても、アンケートの回収率は高くありません(後述)。

さらに、行政書士試験の合格者は全員で5.000人程度です。

各社それなりに合格者を排出しているとしても、せいぜい数百人です。

分子が小さい分、わずかな偏りで数値はぶれます。

低いと受講者が激減し、高いと嘘くさいと言われる。

費用も時間も投入して集計してまで、出す側にメリットは多くない数字です。

また、少数で運営しているため、人力的に出せないところもあるでしょうし、

数値的に出したくないところもあるかと思います。

なによりも、業界的に実績出さなくても、支障がない。

公表していない企業のほうが多いのだから、金も時間もかけて集計する必要はない。

各社様々な思惑で実績を公開していると考えるのが自然です。

合格者数・合格体験記数は最低数を教えてくれる。

いわゆる進学とは違い、合格者数を正確に把握することはまず無理です。

通学予備校ならばある程度正確な数の把握もできるかもしれませんが、通信主体は難しい。

合格者・体験記数は最も少ない数であると考えるのが自然です。

表記された数以上に合格者がいることは確実。

合格者数公表は6社、推移まで記載が3社

合格者数の表記は

以上6社で、合計852名

集計方法は主にアンケート。

2021年公開されているのかで最も人数が多いのがアガルート、

次いでフォーサイト、ユーキャンになります。

過去10年の合格者数までわかる講座は以下の3社。

合格者数の推移①ユーキャン

合格者数

  • 2020年167名
  • 2019年215名
  • 2018年272名
  • 2017年323名
  • 2016年282名
  • 2015年370名
  • 2014年265名
  • 2013年393名
  • 2012年398名
  • 2011年223名

通信教育のパイオニア。

昔は向井理さんを行政書士講座のCMに起用するなど、元超人気講座。

合格者数も過去10年かなりの人数が排出されている。

合格者数はかなりばらつきがあり、2020年と2017年では倍近く変わっている。

講座の印象は、古き良き通信教育。

ちょっと時代遅れな印象があったが、再び気合を入れなおしリニューアル。

今後に期待できる講座だと言える。

初学者向けの力の入れ具合が強く、テキストに漫画を採用するなどの工夫で入りやすさが特徴。

学習量は要点集約型で、利用者の85%が初学者である点から見ても、再受験生向けの内容ではない。

ユーキャンの行政書士講座

合格者数の推移②TAC

TAC合格者数
2012197
2013193
2014149
2015169
2016125
2017232
2018169
2019149
2020164
2021118

資格予備校大手のTAC、合格者数はフォーサイトやユーキャンに及ばない。

これは、受講人数の問題だと考えるのが自然で、講座の質とは無関係。

講座の特徴は、わかりません。

テキスト・講義ともにサンプルが少なすぎて判断しようがなく、また公式には講師が多すぎて誰の何が良いのかわかりません。

合格者数の数にぶれが小さく、安定した内容であることは見て取れます。

合格者数の推移③大原

大原合格者数
2012231
2013192
2014183
2015200
201688
2017136
201873
201965
202076
202145

コメントに困るのが資格の大原

通信の普及で通学需要が減少傾向である、だと思います。

数だけ見れば減少の一途ですが、それでも公開してくるあたりは信念を感じます。

2022年から大幅リニューアルを予定しているとのこと、今風のネット講義になるようです。

資格の大原行政書士コース

合格者数のみ公開している3社の共通点

かなり気になったのが、合格者数だけを公開している、TAC・大原は2021年が過去10年で最も合格者数が少ない年になっている点。

行政書士試験自体の、合格率・合格者数・問題の難易度は(多少の違いはあれど)そこまで大きく変わっていません。

共通点として考えられるのは、通学需要が大きく減少しているのではないかとかんがえます。

その点大原はともに大きなリニューアルが行われており、今後反転攻勢が予想されます。

合格体験記も合格者数同様必ずその数以上の合格者がいる

合格体験記が複数掲載されていたのは

記載数
  • 128
  • 90
  • 69

手作業での集計のため、多少間違っていたり、重複している可能性もあります。

また、2021年度だけを数に入れていますので、体験記の掲載はあるものの年度が不明な企業は除外。

3社合計、287名

単に合否を回答するアンケートより回答率は低いと考えるのが妥当です。

最低限この287名以上の合格者を排出していることは間違いありません。

合格体験記①伊藤塾

アガルートにピンとこなければ次におすすめ、伊藤塾。

合格率も合格者数も公開していないが、体験記だけで128人、祝賀会に移っていた大勢の人は含んでいません(多少なりとも重複している可能性があるため)。

体験記の数だけでTACの合格者数より多い。

人数的に業界最多まであるかも。

伊藤塾の特徴は、フルサイズの予備校スタイル。

塾というだけあってサポート体制は強力。

講師の伝える力も高く、全体的に隙がない印象。

反面、ややお値段お高めであり、フルサイズなので一定以上の時間が必要な点。

//安定感抜群//

合格体験記②スタディング

思った以上に体験記が多かったのが、スタディング。

その数、90名とかなりの人数。

講座の特徴は、スマホ完結でキャッチフレーズ通り「いつでもどこでも勉強中」。

アウトプット軸の補助教材の印象。

紙媒体のテキスト別売り。

スマホ見続けるとすぐ目がきつくなる私には向いていませんが、電車通勤などでスマホ手にできる隙間時間が多い人には良い講座。

S式に似ているが、インプット軸のS式よりもおすすめ度は上。

スタディング

合格体験記③LEC

手計算なので間違っているかもですが、思ったより少ないのがLECでした。

他社と違う点はLECに関しては明確に体験記書いたからメリットがあるわけではないという点。

この点からもっと合格者は多いと考えています。

合格者のどれくらい講座を利用しているのか考えてみた。

合格者のうち、どのくらいの人が講座を使っていたのか?

受験時代かなり知りたかった点です。

当然ながら、正確な数字は出ません。

ですので、数字遊び感覚で興味のある方だけご覧ください。

合格者数+合格体験記=最低合格者数

各社のアンケートで合格者数として確定しているのが852名

合格者数は公表していないが、合格体験記を記載している人が、287名

合わせて1.139名

2021年の全合格者は5.353名なので、割合は21.27%

これは最も少なくい場合。

では、講座受講者が全体のどの程度になるのか、読み取っていきましょう。

アンケートの一般的な回収率は30%前後

一般的なアンケートの回収率は30%前後です。

手法として回答率高いのが電話解答、次いで郵送解答、ネットは回収率が高くありません。

例えば、記憶に新しい令和2年国勢調査では、ネット回収率が37.9% 郵送が41.9%

出典:令和2年国勢調査の概要 https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/gaiyou.html#kouhyou_9

アンケート内容や実施する団体、その他の要素により変わってきます。

CS(Customer Satisfaction・顧客満足)調査は30%よりも回収率が低いのが一般的です。

講座の合否アンケートはCS調査であると言えるので、かなり高く見積もって30%

回収率が低ければ低いほど推定合格者数が増えて、20%で全体の合格者数を超えてしまいます。

40%以上の回答率は性質上、高すぎる。

よって、30%程度でそこまで大きくずれない推測が可能ではないかと考えます。

合格体験記のほうが、合否を返答するだけのアンケートより回収率が低いのですが、分けるとややこしさがさらに増すので、かなり大雑把にまとめて高い回収率(合格者数を低く見積もって)で見ていきます。

余談ですが、どこで、どのように得た数字がお伝えすることはもろもろの事情でできません。なので、あくまで余談としてですが、

ある合格者数を出している講座の合格者数がアンケート結果の3倍の数把握しています。

なので、回収率30%は的外れな数値ではないと考えています。

講座合格者の割合は?

仮にアンケートの回収率が100%であった場合、先程同様、最も低く見積もった数、

1.139名・21.27%

  • 40% の場合 2847名 53.19%
  • 30% の場合 3758名 70.21%

私は独学合格者です。

その立場から、回収率30%程度が妥当だとしても、70%が講座出身だとは思いたくはありません。

しかし、この集計において実績非公開の企業は全く数に含んでいません。

全く実績がないが数年間も販売を継続するとは考えにくい。

現にL・Aは2020年を最後に販売を停止。

資格スクエアもかなりの期間販売を停止し、大幅なリニューアルを必要としました。

リニューアル後かなり面白い講座になっています。詳しくはこちら

つまり、ビジネスとして成立するだけの売り上げがあり、相応の結果が出ていると考えるのが自然です。

これらを考慮して、また私の願望も込みで合格者の60%程度が講座出身者ではないかと考えます。

4割は希望になるか?

残りの40%が独学になるわけです(かなり強引ですが)。

中々に高確率で、希望の持てる数字になるかといえば、辛い現実が待っています。

仮に、すべての講座の平均合格率を30%と仮定します。

これより低いと、存在価値がありません。

全講座合格者数はざっくり(計算しやすい数にしたいので)合格者全体の60%で3000人としておきましょう。

そうすると、2021年試験で講座出身の受験生は9.000人

2021年試験の受験者数は47.870人です。

残りの合格者2.000人を38.870人で競っていたわけです。

およそ合格率は5%

この5%にはロー生・予備試験組・司法書士試験組など猛者たちが入っています。

講座の合格率・合格者数が教えてくれるのは現実的な勝ち筋を選べるかどうか

独学で合格は可能です。

誰にでも可能性はあります。

ですが、それは10人に1人の世界ではありません。

合格率およそ10%の中身を紐解いていけば、3~4人に1人が受かる世界と、猛者たちがうごめく中で20人に1人の世界です。

全体の合格率が10%程度の試験であることは変わりません。

しかし、よく分析をしてみると情報格差の世界であることがわかります。

勝てる可能性を高めるための努力を戦略と呼ぶのではないでしょうか?

講座選びは候補も多く、考える点が多すぎて訳が分からなくなるピヨよー。

もういっそどこが良いのか教えてほしいピヨー。

という方が、もしいれば、こちらをお読みください。

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