行政書士受験界で超有名な豊村慶太講師にインタビューすることができました。
といっても、時は2021年本試験直前の11月上旬、コロナ禍で、直接お話ができたわけではありませんが、私からの質問に豊村講師が直接、ご自身の言葉で返事を下さいました。
詳しい経緯は最後にするとして、豊村講師の経歴に軽く触れてから、具体的な内容に入っていきます。
また受験生のみなさまにぜひ知っていただきたい点に関して解説を入れています。
豊村講師のプロフィール
【経歴】
早稲田大学社会科学部卒業
明治大学大学院中退,中央大学大学院修了,学習院大学大学院修了
LECで12年にわたり行政書士講座を担当。
2017年2月にアガルートアカデミーへ移籍。
延べ6.000人以上の受験生を指導。
行政書士受験界で知らない人は「情弱」といってよいほどの超有名講師。
カリスマと呼ばれる所以は「圧倒的にわかりやすい講義力」、結果として「高い合格実績」。
実際に講義を受けると、かなり難しい内容であってもあっさりと理解できるレベルに落とし込んでくれます。
豊村講師に7つの質問
質問の内容は以下の7つ。
- 高い合格率の秘密は?
- アガルートは他の予備校とどう違うのか?
- LECのほうが良かったところ
- 収録講義なのにライブ感が凄い、秘訣は?
- 講師との相性ってなに?
- 選ばれる理由は?
- 印象的なエピソードを教えてください。
最後に読者の皆様へのメッセージもいただきました。
Q1:高い合格率の秘密を知りたい。
アガルート行政書士講座といえば高い合格率で有名ですが、何か秘訣があるのでしょうか?
いきなりドストレートな質問を投げ込んでみました。
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なによりも受講生の皆さんの努力が凄まじいということです。
毎年僕は合格者インタビューで合格者の方が使用していたテキスト・六法・問題集を見せてもらうのですが、とにかく皆さんボロボロになるまで使い込まれていて繰り返しているんですよ。
当たり前ですが、一部の天才を除いて、記憶を定着させるためには繰り返しが必要です。
その愚直な努力に対して全く手を抜いていないんですよね。そりゃあ合格しますよね。
あとから気が付いて、聞いておけばよかったと後悔していることがあります。
「受講生がそこまで努力できるのは何か理由があるのではないか?」
努力って、口で言うほど簡単にできないことはだれしも経験があると思います。
勘違いしがちですが、努力は自身の能力や意志力より環境に影響されます。
通学予備校であれば、「教室の雰囲気づくりも講師の仕事」という言葉でかたずけられるのですが、アガルートは通信です。
通信で努力できる環境、努力するのが当たり前の雰囲気、を実現できるのは並大抵なことでないことは想像できます。
アガルート公式サイトでは合格者インタビューがたくさん公開されています。
どの程度の努力をされていたのか感じることができます。
特に自身の立場に近い方は非常に参考になると思います。
インプットを一通り終わらせてから、最初に戻ってアウトプットをやる人もいますが、記憶の定着という意味でもあまり効率がいいとはいえません。
例えば、日本史を勉強する時に、縄文時代から近現代史まで全て教科書を通読してから縄文時代の問題集を解こうとしても、最初にやった縄文時代の知識ははるか彼方ですよね?
やはり短い範囲で、知識が定着しているかを確認する意味でもアウトプットをこまめにやった方がいいでしょう。「ジグザグ方式」の徹底は、合格率上昇に間違いなく寄与していると思います。
この点は、独学も含めすべての方が採用すべき点です。
表現方法は様々ですが、同じやり方を提唱している方がとても多い。
効率的な学習法であると言えます。
私は独学でしたが、やはり「ジグザグ方式」とほぼ変わりません。
行政書士試験の真の勝負所は「直前期」なのですが、その時期に情報がとっ散らかっていると、とても学習効率が悪いです。
ですから、学習の初期段階から常に「直前期」を意識してもらって、情報集約(=学習四天王間の検索性を高める)をお願いしています。
「直前期」にやるべきことを絞って短いスパンで繰り返して記憶を定着させるための作業ともいえますね。
もしかすると、最初からすべてリンク済みのデジタルテキスト・問題集・六法用意しろよ!
と思う方もいるかもしれませんが、そうではありません。
この手の研究は40年以上前からあり、一般的にデジタルより、紙媒体のほうが学習効果が高いと言われています。
「デジタル教科書で学習効率が上がるという科学的根拠がない」という話もあるくらいです。
もちろん他にもたくさん要因はありますが、代表的なのは、その3点ですかね。
ありがとうございます。
ジグザグ方式による効率的な学習。
17年以上の講師経験からくるノウハウ。
何より、受講生の努力。
この3つがそろえば、高い合格実績も納得です。
ちなみに、この質問の回答と同じ内容がアガルートメールマガジンで2021年12月21日に配信されています。
有益な情報が配信されていますので、資料請求と会員登録はしておいて損はありません。
もちろん無料です。
営業電話がかかってくるとかもありません。
Q2:アガルートは他の予備校とここが違う
豊村先生はLEC で長年指導されていましたが、アガルートに移られてここは違うぞ!という点。例えば、科目当たりの時間制限がないなどが特徴だと思いますが、ほかにあれば教えてください。
ですから、本当はもっと詳しく解説した方が理解促進に役立つ所で「ここは読んでおいてください」といって流さずに、きっちりと過不足なく説明ができます。
アガルートで一番良いなと思うのは、1つのユニットが10分~20分と短時間なので、その部分のみを差し替えられる点です。
他のスクールだと1コマが60分や90分ですから、途中を差し替えるというのは難しいですよね。
アガルートのシステムだと、最新判例や法改正の部分を即座に差し替えられます。
また、「このユニットはこっちの説明や具体例の方が受講生は分かりやすいな」と思ったら、そのユニットだけを撮り直して差し替えます。
つまり、年を経るごとに講座全体のクオリティーが高まるのです。
よくある誤解で「全部の講義を毎年最新のものに撮り直した方がクオリティーが高いのでは?」というものがあります。
全部(例えば100時間以上)の講義を全て撮り直すと、「あ!あそこは去年の方がスムーズに話せたな」ということが往々にしてあるのです。
このことは、ベテランの講師なら分かるはずです。
その点、アガルートの講義は、良かった点はそのまま残して、最新判例・法改正点・説明を改善したいユニットを撮り直して差し替える(=良いユニットはそのまま残す)ので、講座全体のクオリティーが年を経るごとに上がるのです。
これは本当に良い点だと思いますよ。
現状アガルートならではといった点だと思います。
受講生にも、講師にもメリットの大きい非常に優れたシステムです。
一方で講師には自身を成長させ続けなければならないという過酷さも内在していると感じます。
ある種のストイックさと情熱がなければ、できないことは想像できますよね。
制度的には妥協がしやすい側面もあるのですから
ちなみに、実際に受講をすればどの講義が新しいのかある程度わかります。
収録機材が進化しているのでしょう、画質・音質が違います。
Q3:LECのほうが良かった点はありますか?
逆に、ここはLEC時代のほうが良かった点があれば教えてください。
それは通勤です。
LEC時代の私は池袋本校がメイン担当校でしたので、それに伴い池袋に引っ越したんですよ。
これはもう最高でしたね!なにしろ自宅マンションからLECまでが徒歩5分ですから「職住近接」の極みみたいなものです。
それに対して、現在は池袋からアガルート本社の収録スタジオまで電車通勤なので、その点はLEC時代の方が良かったですね。
とはいえ、LECはライブ講義がメインだったのでスケジュールが年間押さえられる辛さはありました。
アガルートは、配信期限までに収録を終わらせること以外は拘束がないので、その点はアガルートの方が良いですね。
「配信期限までに収録を終わらせること以外拘束がない」
これは先程の、講義の刷新にも影響していると感じます。
時間的な余裕があるからこそ、自己研鑽が可能。
だからこそ、質が上がっていく。
好循環があるからこそ、結果もついてくるといったところでしょう。
Q4:通信なのにライブ感がすごい。秘訣は?
行政書士入門総合カリキュラム豊村クラス(2021)を体験させていただいた感想として、ライブ感がすごいと感じました。
対面と違い収録だからこそ特に意識されていることはありますか?
おそらくLEC時代のライブ講義の受講生が今の僕の講義を見ても「あの頃と変わらないな」と言うと思いますよ。
講義中でどんどん質問をしていくスタイルもLEC時代とアガルート時代で同じです。
強いて言えば、収録講義の場合は、皆さんが回答しやすいように「これは何ていうんでしたっけ?せーの……」という間を取るようにはしていますね。
さらりと「変わりません」とのことですが、配信でライブ感を出す難易度はとても高いと思います。
経験と技量があってこそのライブ感。
そして、Q1のところで触れましたが、ライブ感があるからこそ、努力できる環境、空気感を感じることができるのだとも思いました。
Q5:講師との相性ってなに?
ガイダンス動画の終盤で、「講師との相性が大切だから、他社と比較してから決めてください」とおっしゃっていますが、講師との相性とはどのようなものだとお考えですか?
また、どのような点に注目してみればより相性がわかりやすいとお考えですか?
①講師の過去と
②現在・未来
を総合的に判断して講座を申し込んでくださいということなんです。
まず①は何かというと、
その講師が過去にどれだけの合格者輩出実績を有するのか?ということです。
過去に多くの人を合格させることが出来ているのか?ですね。
受講を検討している方は、まずそこに着眼するでしょう。
次に②は、
仮にその講師が過去に良好な合格者輩出実績を持つとしても、現在その講師の講義を視聴して違和感がないか?
これから約1年間講義を視聴し続けることができるのか?ということです。
つまり、受講を検討されている方からすると、現在と未来の話ですよね。
それがまさに「相性」なんですよ。
だからこそ、僕はYouTubeに数百本のサンプル講義をUPしています。
申し込む前に必ずYouTubeを視聴してくださいという意図です。
その結果として
「豊村は生理的に受け付けない。LECの横溝さんや伊藤塾の平林さん志水さんが1年間視聴し続けられそうだ」
ということであれば、それで構わないと思っているのです。
あと、どのような点に注目するも何も、「この講師無理!」だったら、それは相性が合わないですよね(笑)。
シンプルに自分の感性を信じればいいのではないでしょうか?
言われてみれば、その通りなのですが、
アガルートは、合格率を明示し、サンプル講義も非常に充実しているからこそじっくり吟味して安心して受講が可能です。
判断できるほど、データやサンプルが提供されていないところも・・・・・。
そもそも、合格率を表記している講座のほうが少ないのです。
でも、知りたい情報ですよね。
合格率があまりにも高すぎるため、「嘘だ」とか「分母いじっている」といわれることもありますが、私は集計の方法は合理的であると考えます。
手法的に高くなりやすい傾向は否定しませんが、信憑性を否定できるだけの要素は見当たりません。
集計の手法についてはこちらの記事で詳しく考察しています。
講義サンプルは非常に膨大な数が用意されています。
YouTubeで「豊村慶太」と検索、かなりの数のサンプルやガイダンスが出てきます。
また、公式サイトから資料請求で以下の内容の体験が可能です。
テキスト
1冊
・総合講義(民法総則&個人情報保護)
・図表まとめ講座(民法総則より抜粋)
講義時間
・入門総合講義 約5.5時間 ※豊村クラス,相賀クラスの両方をご視聴いただけます。
・中上級総合講義 約6時間
・図表まとめ講座 約2.5時間
なかなか、ぶっ飛んだ分量だと思いませんか?
民法総則も個人情報保護も極めて重要なところです。
無料で受講できるのでやらないと損だというレベルです。
ここまでのボリュームで無料体験が可能なところがほかにあるでしょうか?
資料請求はこちらから、アガルート行政書士講座
Q6:選ばれる理由は?
ここ数年で大人気の講座になっているように感じますが、選ばれる理由はなんでしょうか?
そのうえで、アガルート移籍後の講座も引き続き非常に多くの方にお申し込みを頂いているのは、5(補足:講師との相性)で話したこととも重複しますが、これまで僕が積み上げてきた合格者輩出実績を評価して頂いているのではないでしょうか。
また、過去の合格者や現在の受講生の方が「分かりやすい」「面白い」という評価をして頂いている(口コミ)のを受講検討中の方がご覧になって興味を持って頂いているのかもしれません。
個人的には、「講義が面白い」と言って頂くのが一番嬉しいんですよ。
LEC時代からカリスマと呼ばれる講師であることはもちろん知っていました。
当時も公開講座は格段にわかりやすく、面白い。
再受験をするのであれば、受講してみたいと思っていました。
時を経て、このブログをきっかけに、入門総合カリキュラムを受講させていただき、
期待以上のわかりやすさと、時折笑ってしまうくらいの面白さ、興味深さがありました。
入門総合カリキュラムのレビューはこちら
【独学とは別世界】アガルート入門総合カリキュラムを使ってみて【かつての苦労は・・・・】
Q7:印象的なエピソードを教えてください。
過去の受講生で印象に残っているエピソード等ありましたら是非お聞かせください。
エピソードAは、176点(あと1問で合格)で不合格になった方が、次の年に見事リベンジを果たされたエピソードですね。これまでに何人も見てきました。
特に、仲良し〇人組でいつも一緒に勉強していた人が、その人以外全員合格を果たした次の年にリベンジを果たしたのを見た時は本当に嬉しくなります。
もう1つのエピソードBは、合格まで人より長くかかったけど、諦めずに努力を重ねて見事に栄冠を果たされたエピソードです。
LEC時代は10回目・アガルート時代は9回目で合格を勝ち取られた方がいます。
何度も諦めそうになったと思うんですよ。
それを乗り越えての見事な合格。ただただリスペクトです。
エピソードAの方もエピソードBの方も、本当にこちらが元気や勇気をもらう方々ですよね。
のべ6000人以上の受講生の中には、奇跡の短期合格者もおられるはずです。
この質問は当ブログで記事にするわけですから、成果や実績のエピソードを語ったほうがPRになることは事実だと思います。
ですが、この質問の回答はどちらも、あきらめずに結果を得たエピソードでした。
このような表現修正依頼がきそうですが、中には豊村講師はチャラそうとか、軽そうなイメージで敬遠されている方もいるかもしれません。
ですが、印象に残っているのは、派手な成果(短期合格者や高得点合格者)ではなく、あきらめずに努力を積み重ねた方々でした。
この回答で人柄が垣間見れたように感じたのは私だけでしょうか?
最後に読者である行政書士受験生へメッセージをお願いします。
最後に受験生へのメッセージをお願いします。
アガルートの受講生はもちろん、LECの受講生・伊藤塾の受講生・TACの受講生・フォーサイトの受講生・独学の方、勉強が辛い時もあるかと思いますが、気合で乗り越えて、合格をつかみ取りましょう!
本日はありがとうございました!!!
本試験直前のとても忙しい中ありがとうございました。
補足:このインタビューのいきさつ。
最後にこのインタビューに至ったいきさつをお話しします。
特に興味がある方以外読んでいただく必要はありません。
ある日アガルートより「お話をしたい」との連絡が来ました。
うわー内容を修正しろとか、削除しろとかいう怖い話だろうな・・・・・。
と思い戦々恐々としていました。
2021年10月23日リモートにてアガルートの社員さん、お二人と面談。
最初は緊張していましたが、あいさつを終え
詳しくお話をお伺いすると、
「内容については問題ありません。それより、豊村講師にインタビューしてみませんか?」
とのこと。
とはいえ、私は関西ですし、コロナ禍です。
直接の対談は泣く泣く断念し、私の質問に対し豊村講師が直接回答いただく形でまとまりました。
そうして誕生したのがこの記事です。
アガルートの社員様とお話しして初めて知ったのですが、当ブログ経由で行政書士講座はもちろんですが、意外なことに、司法試験や宅建など他資格講座を申し込まれる方も多数いらっしゃるそうです。
ご自身で情報を収集し、その上で合格率・講義・テキストの考察など、「あーここって(他資格講座でも)同じことを思った」と受講の決断をされたのかもしれません。
このあたりは以下の記事で行政書士講座をベースに詳しく解説しております。
【独学とは別世界】アガルート入門総合カリキュラムを使ってみて【かつての苦労は・・・・】
もし、迷っているのであれば一読ください。
行政書士受験生が必見なのはもちろんピヨよ。
最後に、本試験直前期のお忙しい時期にも関わらず質問に返答いただいた豊村講師、
この機会を提案くださったアガルート担当者様、
最後まで読んでくださったあなたに感謝を込めて、
ありがとうございます。
もし、アガルートアカデミーや豊村講師に興味を持ったのであれば、
YouTubeにて「豊村慶太」と検索
で、より詳しいことがわかります。
当ブログで掲載しているアガルートアカデミーに関する講師の肖像、公式サイト並びに動画等からの切り抜き画像等は(株)アガルートの許諾を得ております。