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行政書士の合格率が低い理由を徹底解説【一部閲覧注意】

※広告を含みます
行政書士を知る
この記事は約18分で読めます。

行政書士試験は300点満点中180点、60%で合格の絶対評価の試験です。

合格率は、年度により多少違いますが、大体10%前後。

過去10年(平成23~令和2年)の平均合格率は10.6%です。

宅建士合格後、ステップアップとして行政書士を受験する人が多いわけですが、

その宅建士の合格点は50点満点中35~38点。

70~76%の正答率が必要であるにもかかわらず、合格率は15%前後。

行政書士は半分ちょいで全員合格の試験なのに合格率がなぜ低いピヨ??

行政書士の合格率が低い理由
行政書士の合格率が低い理由は簡単。
低くなるように入念に作りこまれた試験。
  1. 試験の仕組み自体が巧妙だから。
    ・6割が合格点。でも、6割取れるのが受験生の上位10%になるように作られている。
    ・制度的には絶対評価であるが、相対評価の側面もある試験。
  2. そもそも、難しい試験である。
    ・試験範囲がとても広い。
    ・問題自体の難易度も高い。
  3. にもかかわらず、準備不足で受験する人が多い。
    ・受験生の多くが社会人のため勉強量が足りないまま受験を迎える。
    ・近年の合格率が10%を超えているため、簡単になってきているという勘違い。
  4. とはいえ、士業の中ではとりやすい資格。
(注意)記事の後半部分【閲覧注意】
特に、絶対に独学で合格するのだと誓った人は読んではいけません。「士業の中ではとりやすい資格」までは問題ありません。
それ以後は知らないほうが幸せな事実になっています。モチベーションが下がったり、挫折をする危険性があります。
とはいえ、行政書士の合格率が低い理由が知りたいのであれば、知っておくべき悲しい事実です。

行政書士の合格率が低いのは、試験の仕組み自体が巧妙だから。

  • 6割が合格点。でも、6割取れるのが受験生の上位10%になるように作られている。
  • 制度的には絶対評価であるが、相対評価の側面もある試験。

行政書士試験の仕組みが巧妙

6割正解すれば合格できると聞けば、簡単なように感じるのも無理はありません。

  • 2問に1問とれば50%です。
  • 行政書士試験の問題は5肢択一であり、全くわからなかったしても、20%の確率で正解できる。
  • 300点満点中150点は自力で正解。
  • 残り150点の20%、つまり30点は勘で取れる可能性がある。
  • 150点(自力)+30点(20%を確率通りに引ければ)=180点(合格点)

簡単そうピヨ。

ところが、そう簡単であれば合格率は低くありません。

うまく仕掛けが組み込まれています。

合格基準の180点に到達できるのが受験生の10%程度しかいないように巧妙に設計された試験である。

では、どのように巧妙に設計されているか解説します。

この話で重要なのポイントは

  1. 総得点が300点、合格点は180点
  2. 記述の配点が60点

記述に運や確率の要素が影響しないのは言うまでもありません。

(ここでいう、運や確率は5個中から正解を勘で当てること。厳密には記述にも運の要素は強く影響します。記述採点の話は後程します。)

絶対評価で合格できる唯一のパターン

300点満点から記述の60点を引くと240点。

240点中180点以上の人だけが絶対評価で合格できます。

75%以上の正答率が必要。

記述込みの総得点で200点を超えてくる人たちです。

記述は合格者数の調整弁!?

足切りを除くと、残りの合格者が記述の採点結果で決まります。

記述抜きの得点で120点~179点までの方が該当します。

正答率50%以上~75%未満。

この記述の採点が行政書士試験の闇。

ブラックボックスなのです。

令和元年、平成22.23年などの採点の甘い年と、厳しい年の差が激しすぎるのです。

  • 令和2年も記述の採点は厳しめであり、激アマ採点であった令和元年と同じ試験とは思えません。
  • 激アマの年は論点をかなり外していてもかなりの部分点を付けている様子が見て取れます。
  • 厳しい年は、少しずれた回答をすると点数が付かない、部分点の基準が厳しくなっている様子が見て取れます。

実際どうなのかよりも、事実上、記述の採点如何で合否が決する層にとっては相対評価の試験と化していると考えるほうが自然なのです。

170点台で不合格の方は皆さんが思っている以上に多いですよ。

試験自体の難しさも調整されている。

でも、なんで自力で6割の正解を出すのが難しいピヨ?

試験問題の難しさ自体が調整されています。

真の意味で絶対評価であるのならば、試験の難易度は毎年似たようなレベルでよいのです。

記述の調整などやる意味もありません。

ですが、問題の難易度と記述の2重の調整弁で合格者数を調整していると考えるほうが自然なのです。

  • 平成14年は合格者数13.000人程度、19%と合格者数・合格率ともに過去最高の年でした。
  • ところが、平成15年2000人ちょい、3%程度と同じ試験とは思えません。
  • 平成16年は4000人程度の5%程度
  • さらに、平成17年1900人ちょい、2.5%程度と合格者数を絞りに絞っていた過去があります。

同じ試験でここまで差が出るのはなぜでしょうか?

受験生のレベルが年度によってここまで大きく変わるでしょうか?

問題自体の難しさを調整していると考えたほうが自然です。

年平均合格者5000人!?

平成14年~17年の4年間の年平均合格者数は5000人程度であることがわかります。

では、直近の4年ではどうでしょう?

  • R2  4470人
  • R1  4,571人
  • H30 4968人
  • H29 6360人

4年累計20.369人ですので、年平均5.092人であることがわかります。

もちろん、どこを切り取るかで変わりますが、直近10年を見ても年平均5千人程度と考えるのが自然です。

行政書士試験は相対評価の試験だと思ったほうが自然

行政書士試験は制度的には180点取れば合格の絶対評価の試験。

ですが、記述採点と問題の難易度で合格者数を年平均5000人に調整してきている側面も否定できません。

直近10年でいえば、受験者数が5万人程度であるので、合格率が10%前後になっており、

受験生の10%程度しか合格点が取れないように問題自体の難しさと、記述の採点で2重に調整できる仕組みの試験。

絶対評価だと思わないほうがしっくりきませんか?

では、なぜ年間5000人程度に合格者を絞るのか?

年間の合格者数を絞る理由は以下の3点が考えられます。

  1. 人気資格のため受験者が多い。
  2. 受験資格がなく誰でも挑戦可能なため受験生が多い。
  3. 独占業務があるため合格者を多くできない。

そもそもが人気資格のため受験生が多い、さらに受験資格もないためさらに受験生が増える。

受験をする人が多いといっても、簿記(約50万人)や宅建(約20万人)ほど多いわけではありません。

近年であれば、年あたり5万人前後です。

ですが、行政書士をはじめとする士業には独占業務があります。

独占業務とはその資格を有しない人がその業務を行うと違法となるもののとこです。

医者や弁護士をイメージするとわかりやすいピヨ。

 

役所や警察などの行政庁に行けば
「行政書士でないものが他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類を制作することは法律で禁止されております。」
的な案内が書いてあることがあります。
実際に、行政書士法では刑事罰を伴う罰則が規定されています。

独占業務は参入障壁と言えます。

大量の合格者を出すと、そもそも参入障壁の意味がないので合格率を低くする。

または、合格者数を一定にすることで能力の担保と独占範囲の保護を実現させているわけです。

そもそも難しい試験である

行政書士試験を偏差値で換算すると60~63であると別の記事で書きました。

詳しくは「行政書士の偏差値は?」をご覧ください。

試験自体が難しいのです。

では、どう難しいのでしょうか?

  1. 試験範囲がとても広い。
  2. 問題自体の難易度も高い。

試験範囲がとても広い

行政書士の試験範囲は非常に広いです。

主要な出題範囲
  • 基礎法学
  • 憲法
  • 民法
  • 行政法(行政にかかわる法律をまとめた総称)
  • 商法・会社法
  • 個人情報保護法および類似法
  • 情報通信
  • 政治・経済・社会
  • 文章理解

六法という言葉は聞いたことある人のほうが多いと思います。

憲法・民法・商法・刑法・民事訴訟法・刑事訴訟法

の日本における主要な6つの法律(憲法は法律ではないけど)をさします。

司法試験では行政法を加えて7法という表現も用いられるようです。

その7法のうち、4法(憲法・民法・商法・行政法)が行政書士試験の出題範囲であるといえば、かなり広範囲であることは想像できると思います。

そのうえ、どのようにもでもとらえられる政治・経済・社会。

IT用語が問われる情報通信。

ほぼ国語の文章理解。

が試験範囲です。

こんな膨大な試験範囲一年で勉強するの無理ピヨ。

まともに、一から全部学んでいたのではとてもじゃないけど、一年では足りません。

そのため、要領、効率がとても重要になってきます。

問題自体の難易度も高い

出題範囲が広いことはなんとなくイメージできたかと思います。

広いといっても行政書士試験は基本的な部分しか問われないといわれているピヨ。

半分正解ですが、半分不正解です。

確かに、問われている内容は底なし沼の法学の視点から見れば基礎です。

それは間違いありません。

ですが、

以下は、伊藤塾の平林先生が司法書士受験生に向けた「平林勉講師がこっそり教える「司法書士試験受験経験者が陥る本当のワナ」 より引用させていただきます。

◎憲法→ 相当程度難しい
今年の司法書士試験で1問くらいの方は、行政書士試験の憲法ではもっと酷い目にあうと思います。

◎民法→ 同等程度
今年の司法書士試験の問題と同等の難易度だと思って頂ければいいと思います。出題される領域がやや狭くなるため、その分楽ではありますが。
平成28年度の司法書士試験の問題よりは相当程度簡単です。
そんなイメージです。

◎商法→ かなり簡単
浅いところをさらっと聞いておしまいという感じです。
今年の司法書士試験でいうと、刑法のような難易度で商法出されたら、行政書士試験くらいになるなーというイメージです。

「今年」というのがいつをさすのか不明ですが、概要がつかめる内容であるため引用させていただきました。

司法書士試験は、ご存じの通り、超難関に分類される資格です。

問題自体の難易度よりも司法書士は試験制度がどぎついため合格への難易度は行政書士よりも数倍上です。

かなり簡単と評されている商法ですが、行政書士での出題はわずかに5問だけです。

では、最も配点の高い行政法の難易度はといいますと、

アガルートアカデミー行政書士講座入門総合講義/入門総合カリキュラムの 短答過去問解析講座の中で担当の林裕太先生は以下のように述べています。

行政法に関していえば、公務員より行政書士のほうがはるかに難しいです。

というか、多分日本で一番行政法難しいの行政書士だと思います。

範囲も広いし、細かいこと聞いてくるしね。

論文とか入れれば、当然司法試験のほうが難しいわけだけど、いわえる択一式という比較でいうんだったら、行政書士のほうが圧倒的に難しいです。

それぐらいレベルの高いところ求められるっていうのありますので、、、、(以下略)

話は、他資格の問題を使うことに関してですが、行政法の難易度について言及されていましたので、講義動画から文字に直して、引用させていただきました。

私は、書店で買える教材のみを使用し、独学で合格しています。

ですが、おススメするからには内容しっかり検討をしたいということで、
アガルート行政書士講座(2021)を受講しています。

実際に受講するとおすすめ度がさらに上がりました。

まとめます。

  1. 憲法・・・・司法書士より難しい(伊藤塾平林講師談)
  2. 民法・・・・司法書士と同程度、年度によってはやや優しい(同上)
  3. 商法・・・司法書士よりかなり易しい(同上)
  4. 行政法・・・択一式であれば日本で一番難しい(アガルート林講師談)

ざっくり過去問を比較してみた私の個人的な感想では。

憲法・・・・司法書士と同程度かな?

民法・・・・司法書士のほうが細かい。その分難しい印象。

商法・・・・圧倒的な差。

行政法・・・比較したことないので不明。範囲も広く手がかかる科目ではあるが日本一難しいかと言われたら、、、そこまで難しいという印象はない。

個人的には、行政法の難易度にはハテナマークが付く部分もありますが、

両先生とも何年も受験指導されているベテランの講師ですので、先生方のおっしゃることのほうが、おそらくは正しいのでしょう。

肝心なことは、(制度的には)絶対評価の行政書士試験で合格率が低い理由として、

試験範囲が広く、問題自体の難易度も高いため、制度的には絶対評価の試験であっても、上位10%程度しか合格点をとれない。

近年の合格率10%超えのため易しくなっているという勘違いと、準備不足で受験する人が多い。

ここまでで、

  1. 10%程度しか合格点が取れないように、問題の難易度と記述の採点で2重に調整をかけてくる、巧妙に作られた試験である。
  2. 試験範囲が広く、まともに学習していたら一年では追い付かないボリューム。
  3. 問題の難易度自体も高い。
  4. 人気資格であり、受験資格もなく受験者が多いが、合格者数をそもそも多くできない。

ある程度は納得ピヨ。

でも、なんかいまいちピンとこないピヨ。

行政書士試験は、そもそも合格率が低くなるように作ってある試験だということです。

受験生の大半が社会人で準備不足のまま受験する人が多い

行政書士の受験生の大多数は社会人の方々です。

仕事をしながら、範囲の広い試験の対策を講じる時間を捻出することは容易ではありません。

特に、法律を始めて勉強する人たちにとって、過去問をマスターするだけで一年が過ぎてしまうことも珍しいことではありません。

ですが、

過去問だけでは解けない問題や肢をうまく入れ込んで10%前後に落ち着くように調整してきます。

どうしても時間的制限で準備不足のまま本試験を迎えてしまう受験生が多いのも合格率が低い一つの理由です。

近年の合格率が高くなってきているため、行政書士試験は易しくなっているという勘違い。

先に触れましたが、合格率が一桁の時代がありました。

近年の合格率は10%を超えています。

そのため、合格率だけを見れば行政書士は易しくなっているという話が出てくるわけです。

ですが、全く持って勘違いです。

試験問題自体は年々難しくなってきています。

これは正直、過去問やればわかるとしか言えないピヨ。

どの程度難しくなってきてるのかといえば、過去問やってくださいとしか言えないのですが、理由はあります。

受験生向けのコンテンツの増加で受験生の知識・情報レベルが爆発的に上がっています。

以前は、知っている人だけが得をしたメソッドや攻略法が今やだれでも簡単に見つけられる時代になっています。

そのため、問題の難易度を上げて合格者を絞っていくわけです。

合格率が高くなってきているのは、受験者が減少していたからであり、令和に入り受験者数が微増しだすと合格率も連動して微減していってます。

補足ですが、士業全体では受験者数は減少し続けている中で、行政書士受験者は増加しているという、変わったトレンドの資格であったりします。

士業の中では合格率は低くない!

行政書士は八士業の一つです。

八士業とは職務上必要があれば、第三者の戸籍・住民票を職務上請求書で取得することが法律上認められている職業。

  • 弁護士
  • 司法書士
  • 税理士
  • 弁理士
  • 社会保険労務士
  • 土地家屋調査士
  • 海事代理士
  • 行政書士
八士業の中で見ると行政書士の合格率は決して低くはありません。
むしろ高い方に入ります。
税理士や弁護士など試験制度が特殊なものもありますので単純に比較はできませんが、
  • 司法書士 3%程度
  • 社労士  6~7%程度
  • 土地家屋調査士 8~9%程度
  • 弁理士   6%程度

数字は近年のもので割と適当ですが大きくはずれてないはずです(年度によりかなりのばらつきがあります)。

合格率が10%前後の行政書士の合格率はむしろ高い方である

一般的な資格と比べたら行政書士の合格率は低いといえますが、士業に限ってみてみると決して低くはなく、むしろ高いといえます。

【閲覧注意】知らないほうが幸せな残酷な事実。

ここから先は閲覧注意です。

特に絶対に独学で合格を勝ち取るのだと決心している方は読まないほうが良いです。

決して独学では合格できないとは言いません。

私自身独学合格者です。

独学での合格はできないわけではありません。

ですが、確率はとても低いという話は行政書士に受からない決定的な理由は?で解説しています。

行政書士の合格率が低い理由を考察するうえで、多くの受験生が独学で挑むから、という話を避けることはできません。

一部の方にとっては残酷な事実となります。

絶対に独学だという方はここで、別のページに移行してください。

【2020年版】行政書士を独学で合格するための秘訣【本当は教えたくない】

がおすすめです。

一方で、合格できるなら費用は考慮するという方にとっては知っておくべき事実になります。

ある大学の合格率が異常値

閲覧注意とか煽るだけ煽って、どうせまたアガルートやフォーサイトの合格率出して、「ほらこんなに違うでしょ」とか言うだけピヨ。

確かに、アガルートもフォーサイトも合格率は極めて高いです。

令和2年度合格率

アガルート・・・・67.2%

フォーサイト ・・・41.3%

ですが、この程度で閲覧注意とは言いません。

この2社の合格率は受験生であれば大半の方が知っている話です。

では、どことは言えませんが、合格率70%程度を数年連続で成し遂げている大学があるのはご存じでしょうか?

合格者数も40人前後と一大学であることを考慮すると多く、異常な合格率であることがわかります。

申し訳ありませんが、具体的な学校名を上げることは差し控えます。調べていただければすぐに見つかります。

もう一つの大学のデータ

大学の行政書士試験合格率を調べていると、もう一つ見つかりました。

77人がエントリー、3人が合格(2020年度実績)。

受験者が77人ではありません。

注目すべき点は、この大学は講座の受講は必須ではなく、在校中に資格を取ることへの褒章制度です。

どういう大学なのか?

では、両校法学部がどの程度の学力なのかざっくり調べてみましょう。

一方は偏差値42.5~45程度の大学での校内行政書士講座の実績。

もう一方は偏差値55程度の大学の法学部です。

偏差値50が平均であることはわかりますが、では前後5はどの程度変わるのかといいますと、ざっくりですが、

偏差値45は下位30%

偏差値55は上位30%

だと思えば、おおむね良いと思います。

ちなみに偏差値42.5とは40人学級であったと仮定すれば、クラスで勉強が苦手な人トップ10人に入るイメージで大体OKです。

圧倒的な結果を出している理由は何か?

圧倒的な結果を出しているのは、偏差値45のほうの大学の行政書士講座なのです。

大学入試の段階では勉強が苦手な人たちが、10人に1人程度しか合格できない行政書士試験で驚異的な合格率をたたき出している理由はどこにあるのでしょうか?

大学生だから勉強時間たくさんあるんだということではない。

もちろん、大学生は社会人と違い自由な時間が多いことは上げられます。

ですが、それでは全国的な学力で上位30%に入る大学のほうが圧倒的に有利なはずです。

ここまで差がつく理由にはなりません。

合格率が70%程度の大学の行政書士講座は300時間程度の講義時間です。

予備校と同程度の講義時間です。

これ以外に、復習を300時間程度奨励しており、合計学習時間は600時間程度と

行政書士試験の勉強時間として一般の受験生と比べても決して多くはありません。

資格試験でも教育格差

これらのことからわかることは、

  1. 勉強の得手不得手は決定的な差にはならない。
  2. 法学部であれば圧倒的に有利なわけでもない。
  3. 社会人受験生より飛びぬけて勉強時間が多いわけではない。
  4. 決定的な差は予備校レベルの講座を受講している点であること以外見つけられない。

だとすれば、制度的には絶対評価の行政書士の合格率が低い理由の一つは、独学受験生が多いことであるといえるのです。

教育格差といえば子供の問題だと思ってしまいますが、このレベルの資格試験になれば費用を投資できる人と、そうでない人の差も悲しいけれど露骨に出てしまっているのが現実です。

講座の受講はそれほどまでに圧倒的な差を生み出すものなのか?

では、講座の受講はそれほど圧倒的な差を生み出すものなのでしょうか?

  1. 学習効率が桁違い
  2. 受講自体がかつては少数派(過去形)

学習効率が桁違い。

先程も触れましたが、レビュー用にアガルートアカデミー行政書士講座入門総合講義/入門総合カリキュラム(2021)を受講しています。

合格が民法改正前ですので、改正点の勉強も兼ねつつ受講しているわけですが、正直に言います。

圧倒的な差がついて当然。

独学経験者合格者としてはあまり認めたくはないのですが、体験してみて学習プロセスが違いすぎました。

詳しくはこちらをご覧ください。

【独学とは別世界】アガルート入門総合カリキュラムを使ってみて【かつての苦労は・・・・】
最近話題のアガルートってどうなの? どこがが、どう良いの? 独学とどう違うの? お金を払って受ける価値があるの? こうい...

講座の受講者自体が少数派であった(過去形)

過去形を強調しているのは訳があります。

  • 行政書士試験の合格率は10%程度
  • アガルートの合格率は60%程度
  • フォーサイトの合格率は40%程度
  • ある大学の合格率は70%程度

講座の受講生は受験生の中では少数派であり、合格者の中では、多数派と断言はできないが、かなりの割合を占めると考えるのが自然。

そうでなければ、整合性がありません。

しかし、コロナ禍でかなり状況が変わってきています。

  • 攻略法系で最もおすすめなフォーサイトは売り上げが倍近く伸びているそうです。
  • 予備校系で最もおすすめな、アガルートは注文殺到で配送作業が間に合わないとお詫びの連絡が来ています。

これらは行政書士講座だけではなく、すべて含めてのことです。

とはいえ、行政書士だけ旧態依然と受講生は少数派だと考えるのはあまりに気楽すぎます。

勉強に費用を投資することが当たり前になってくれば相対的に独学がより不利になってくるのは疑いようがありません。

先に述べたように、受験生のレベルが上がれば、その分問題を難しくしてくるのが行政書士試験だからです。

まとめ

行政書士の合格率が低い理由は

  1. 60%ってちょっと頑張れば取れそうな気がするのになんで合格率は低いの?
    ➡試験問題と記述の採点で合格者数を調整するように作られている試験だから。
  2. 試験範囲がとても広く、問題自体も難しい。
  3. 人気資格であり、受験資格もないため受験生がおおいが、合格者は多くできない。
    ➡絶対評価の試験だと思わないほうがよい。
  4. 受験生の大半が社会人で十分な準備ができないまま受験している。
  5. 近年合格率が10%を超えているから易しくはなっていない。
    ➡受験者数が減少していたため、合格率は上がっていた。受験生のレベルが上がっているため、問題自体の難易度は上がっている。
  6. 士業の中では合格率は低くない。
  7. ある大学の合格率が異常。
    ➡予備校並みの講座を受講している結果。
    受験生の大半が独学であることが合格率が低い理由の一つ。
  8. コロナ禍で講座の受講生が爆発的に増えている。
    ➡受験生のレベルがあがったとしても、合格者を増やすことはできないため、問題のレベルも比例して上がる。
    独学がより不利になりつつある。

端的にまとめると、行政書士の合格率が低い理由は、低くなるように作られている試験だから。

悲しいことですが、教育格差が明らかにみて取れます。

現実を知ったうえで「善く戦う者は、勝ち易きに勝つ者なり」を選ぶのか、細い勝ち筋をドラマチックに独力でつかみに行くのか、どちらも可能です。

ただ、勝率が圧倒的に違うというだけの話です。

これらのことを、知ったうえであえて独学で挑むのと、知らずに安易に挑むのでは向き合い方が全然違ってきます。

【2020年版】行政書士を独学で合格するための秘訣【本当は教えたくない】

で、冒頭から「なめてはいけない」と言っているのも同じ理由です。

いや、勝つ確率を上げるんだというのであれば、

【2021】おすすめ行政書士通信講座を詳細に紹介【もう迷わない】

をぜひご覧ください。

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