行政書士の合格率が低い理由を徹底分析

行政書士を知る
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過去5年分の行政書士試験の累計結果は以下のようになっています。
(平成26年~平成30年)

  • 申込者約25万7千人
  • 合格者約2万5千人
  • 合格率およそ9%

100人受けたら91人は不合格になるのが行政書士試験です。

この5年間でおよそ23万2千人が不合格になっているわけです。

こういうと、すごく合格率の低い試験だなと思うかもしれませんね。

行政書士試験の合格率が低いのには理由があります。

ポイントは3つ

  1. 行政書士試験の(統計的な)数字としての合格率が低い理由
  2. そもそも合格率は低いのか?
  3. 個人が行政書士試験に合格できる確率としての合格率が低い理由

行政書士の統計的な数字としての合格率が低い理由はこれ


  1. 人気資格のため受験生が多い
  2. 人気もあるが、受験資格はないため、さらに受験生が集まる
  3. 受験生は多いものの資格の特性として独占業務があるため一定数しか合格させられない。
  4. 合格者数を絞るためには試験自体を難しくする必要がある。
  5. そもそも試験自体が法律未経験の一般人視点では難しい試験である。

受験生が多いため試験を難しくして合格率を低くしなければならない理由があります。

実際に、平成の前半や昭和の過去問を体験してみたら難易度がかなり上がっていることを体感できます。

人気のある資格だから合格率が低いのだ

行政書士は複数の大手資格スクール、通信講座で受講生数での人気ランキング上位常連のすごく人気のある資格の一つです。

そのため、そもそもの受験生がおおいのです。

過去5年間で25万7千人が申し込みをしているわけです。

  • 平成初期の頃の受験者数は2万人程度。
  • ピークは平成15年の8万人程度。
  • 現在は年間4万人前後受験者がいます。

受験資格がないことも受験生が多い理由

もう一つの受験生が多い要素として受験資格がないということもあげられます。

行政書士試験には受験資格がありません。

気軽に挑戦できる士業であるため、受験生は多いのです。

気軽に誰でもチャレンジできますが、気軽に誰でも合格わけではないのです。

そのギャップが合格率を低くしている理由の一つです。

独占業務という名の参入障壁があるため合格者を多くできない。

そもそもが人気資格のため受験生が多い、さらに受験資格もないためさらに受験生が増える。

受験をする人が多いといっても、簿記(約50万人)や宅建(約20万人)ほど多いわけではありません。

ですが、行政書士をはじめとする士業には独占業務があります。

独占業務とはその資格を有しない人がその業務を行うと違法となるもののとこです。

 

役所や警察などの行政庁に行けば
「行政書士でないものが他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類を制作することは法律で禁止されております。」
的な案内が書いてあることがあります。
実際に、行政書士法では刑事罰を伴う罰則が規定されています。

その独占業務、つまりは参入障壁と言えます。

大量の合格者を出すと、そもそも参入障壁の意味がないので合格率を低くする。

または、合格者数を一定にすることで能力の担保と独占範囲の保護を実現させているわけです。

単純に試験自体が難しいから合格率は低いのだ

行政書士試験は60%得点すればだれでも合格できる表向きは絶対評価の試験です。

そのうえ、「法律系資格の登竜門」といわれています。

60%の得点で合格できて、登竜門的な資格だといわれると、なんだか簡単な試験のような気もしてきます。

法律の中の基本的な事柄しか問われていないのは事実です。

ですが、それは行政書士の試験が簡単だという意味ではく法律の世界が途方もなく深く広いのです。

実際は初学者が数か月ちょこっと独学で勉強した程度では歯が立たない試験だと思って差し支えありません。

行政書士試験は実務に全く役に立たない知識を問われる試験と言われます。
しかし、行政書士の実務の範囲はかなり広く、実務において対応する法令を正確に読み解き、運用できる力がありますか?という、問いかけをしてきている実務家登用試験であると私は考えます。

視点その2、合格率は本当に低いのか?

 

行政書士の合格率9%は本当に低いのでしょうか?

ちょっと視点を変えてみましょう。

士業の中では合格率は低くない!

行政書士は8士業の一つです。

8士業とは職務上必要があれば、第三者の戸籍・住民票を職務上請求書で取得することが法律上認められている職業のことです。

  • 弁護士
  • 司法書士
  • 税理士
  • 弁理士
  • 社会保険労務士
  • 土地家屋調査士
  • 海事代理士
  • 行政書士
8士業の中で見ると行政書士の合格率は決して低くはありません。
 
むしろ高い方に入ります。
 
税理士や弁護士など試験制度が特殊なものもありますので単純に比較はできませんが、
  • 司法書士 3%程度
  • 社労士  6~7%程度
  • 土地家屋調査士 8~9%程度
  • 弁理士   6%程度

数字は近年のもので割と適当ですが大きくはずれてないはずです(年度によりかなりのばらつきがあります)。

受験者数で計算した合格率が10%を超えている行政書士の合格率はむしろ高い方である

一般的な資格と比べたら行政書士の合格率は低いといえますが、士業に限ってみてみると決して低くはなく、むしろ高いといえます。

視点その3、個人が合格できる確率が低い理由。

ここまでで、受験生が多く試験が難しくなってきているために合格率は低いが、士業という単位でみると合格率は高い、という話をしてきました。

冒頭で述べたように申込者に対しての合格率は9%程度です。

そもそも合格率って受験者数で計算すものではないの?

その通りだよ、あえて申込者で算出したのはここに大きなヒントがあるから。

実は申込者で合格率を考えるとあることが見えてきます。

それは、あなたが行政書士試験に合格(できる確)率に大いに関係があります。

そして、その理由をクリアーできたなら、あなたが合格できる確率は30%以上に跳ね上がると考えています。

途中で挫折するから合格率は低いのだ

申込者の中で実際に受験をする割合は、およそ78%です。

つまり22%は受験料を支払ったにもかかわらず受験をしない。

中には急な冠婚葬祭がある人もいるでしょう。急な出張や体調壊す人もいるかもしれませね。

ですが、毎年特定の日に年間一万人以上がそんな状態になりますかね?

実際は挫折する人がほとんどです。

ある友人の話

もう10年以上前の話です。

あるとき友人が「おれ行政書士の資格取ろうと思ってる」といってきました。

話を聞くとすでに某大手通信教育会社に申し込みをしているということ、当時の私は行政書士が何かすら知らなかったのですが、

そうなんや、がんばりやー

と言ったことは覚えています。

一月ほどして

その友人と食事をしているときにふと思い出して問いました。

そういえば資格の勉強してるとか言ってなかった?

すると友人は即答で

「あれは無理や、何書いてあるかすらわからんほど難しい、もうあきらめたよ」

との答え。

時を経て

何の因果か私が行政書士の試験を受けることになった時、その友人のことが頭をよぎりました。

彼の体験を元にいきなり行政書士用のテキストではなく、入門書から入ることができ無事に合格できたわけです。

私が挫折せずに勉強できたのはあるいは彼のおかげかもしれません。

本試験中に見た光景

私が受験した本試験会場では、試験終了まで席に残り、最後の一秒まで問題を解いたり、見直している人の数は全体の2/3ほどでした。

もちろん中には余裕で解き終わって退室した人もいるかもしれませんが、大半は投げたのではないかと推察できます。

それは合格発表の時にわたしの周辺の番号がほとんどなかったことからもうかがえます。

30%程度は合否を争うようなレベルの受験生ではない。

本試験中に実際に見た光景からもわかるように、そもそも合否を競うレベルまで勉強をしてきた人がそもそも少ないのです。

  • 申込者の22%は試験を受けにすら行きません。
  • 試験を受けに来ても3割は合否を競うレベルに達していない。

そうすると、申込者のおよそ半数程度はあなたにとっては敵ではないということです。

当然、見かけの合格率は低くなります。

150点まで難しくないのだけど、残りの30点が本当の勝負だけどそこが難しい

受験生の30%程度は合否に絡むレベルではないのはわかったよ。
でも、残りの人はどうなの?

これがね、この試験の実によくできているところなの。

半分の150点付近までは比較的簡単に得点できます。

150点という言うとちょっと語弊があるのですが、
択一問題で選択肢が5つあるわけです。それを2択程度には絞り込める問題がかなりあります。

6割で合格の試験ですので、残りはたった10%です。

これならもうちょっとだけ勉強したら来年は確実に合格できる♪

と思いますよね?

ですが、この30点を取るために一年費やしてもたどり着けない人が何人も実際にいます。

初年度160点台
2年目170点台
3年目170点台

なんていう人が珍しくないのがこの試験なのです。

独学だから合格率が低いのだ

 

行政書士試験を勉強を始める人の多くは独学でやろうとします。

実際問題、独学での合格は不可能ではありません。

私自身がそうですから。

ですが、正直かなりきついですよ、体験上おすすめはしません。

独学は妨害の多いマラソンのようなもの

例えば合格をゴールとしましょう。

そのゴールに向かってマラソンをしいるイメージです。

走り続けるだけでもしんどいのに、このマラソンは至る所で休憩させようとします。

  • 「冷たいものでも飲んで少し休み」
  • 「このドラマ面白いぞ」
  • 「資格なんか取っても給料上がらんぞ、飲みに行くから付き合え」

などなど、数多の誘惑が襲ってきます。

そのうえ、さらに心を折りに来る情報がたくさんアナウンスされます。

  • 「行政書士なんてとっても意味ないよ」
  • 「食えない資格の筆頭じゃないか」
  • 「開業しても9割は廃業するらしいぞ」

仕事を終え、そのあとにストイックに勉強を長期間続けるだけでもとてもきついです。

さらに追い打ちで、あたかも真実のような情報、甘い誘惑が何度も繰り替え襲ってきます。

法律の初心者が独学で行政書士試験を合格するということは

簡単なことではありません。

  • 申し込んでも22%は受験しません。
  • 受験しても30%程度は合否を競えるレベルにも達していません。
  • さらに、それ以前の段階で諦めてしまう人が多数います。

ただし、この試験をあっさりと合格する人たちがいます。

行政書士試験にあっさり合格するような人たちはどんな人?

  • 司法試験受験生
  • 司法書士試験受験生・合格者
  • 法科大学院生・卒業生
  • 公務員の国家総合職狙いの人

このエリートたちの一部は、以前は見向きもしなかった、行政書士試験を腕試し、滑り止めとして受験し合格していきます。

実際に、弁護士になれなかったから行政書士やっているという人も少なくないです。

合格者の中に法学経験者が多いから、独学での合格率は相対的に下がる。

何が言いたいかといいますと、合格者の中にはこの特定の人たちが、多くいるってことなのです。

そのうえ、

  • 高い学費を払って資格予備校で一年みっちり勉強してきた人たち
  • 通信講座など有料講座で勉強してきた人たち

も当然多数いるわけです。

これら以外の合格者が独学での合格者となるわけです。

当然のように合格者の中でも少数派になります。

自分が合格するためにどうするのか、方向性が正確で継続できれば合格率は30%以上?

 

とはいえ、初学者であっても、独学であっても、正しい方向性で継続して勉強をすることができた人の合格率は30%以上あると考えています。

根拠は2つの通信講座

2つの通信講座が公表している合格率のデーターがあります。

一つ目はフォーサイトの行政書士講座

2018年度は全国平均の 2.94倍! フォーサイト合格率 37.3% 全国平均合格率 12.7%
(※受講生アンケートは、本試験・合格発表後に全受講生にメールにてアンケートを配布し、集計したデータです。)

二つ目は、アガルートアカデミーの行政書士講座

平成30年度試験有料講座受講者 合格率46.7% 全国平均3.68倍
(※有料講座受講生の合否アンケート集計結果)

いずれも自社で行った合否アンケートの集計結果です。

講座の合格率はアンケートでの統計方式が一番信頼性が高いと考えます。

合否を争えるレベルにまで勉強積み重ねることができたなら合格率は30%を超えるといっても間違いではないのです。

逆に言えば、独学でも正しい努力を十分な量、積み重ねることができれば合格は十分に狙えます。

ただ、それが難しいわけですけどね。

どうしても独学で合格しなければいけないのです。

という方のために、

【2020年版】行政書士を独学で合格するための秘訣【本当は教えたくない】
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また、先ほど合格率のデータとして取り上げた講座はともに非常に優れた講座です。

各講座を私流にぶった切った記事もありますので、興味があればご覧ください。

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気が付いたら行政書士の話題ばかりになっていたブログ。

まとめ

☆視点その1:行政書士の統計的な数字としての合格率が低い理由

  1. 人気資格で受験生が多い
  2. 人気資格のわりに受験資格がない、つまり誰でも受けられるからラッキーパンチ狙いの記念受験も多い
  3. 受験生が多いが独占業務があるために合格者を多く出せない
  4. 合格者を一定数・一定の割合にする必要があり、そのために試験を難しくする。

☆視点その2:行政書士の合格率は士業の中では高い方である。

☆視点その3:個人が合格できる確率が低い理由

  1. 挫折者が多い。
  2. 合否を争うレベルの受験生がそもそも少ない。
  3. 合格者の中に他資格受験の腕試しやダブルライセンス狙いが多いため、相対的に一般の受験生(行政書士専願者)の合格率が下がっている。
  4. さらに、資格予備校・通信教育などでがっつり勉強してきた人たちも一定数合格者にはいるので、法律初学者が独学で合格できる可能性は極めて低い。
  5. 合否を争うレベルまで勉強が進めば合格率は30%以上あってもおかしくない。
    その合否を争うレベルまで勉強をすすめるのが独学ではいばらの道。

以上が行政書士の合格率が低い理由を分析した結果となります。

この記事を書いた人

岡島 真

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