2025年1月29日午前9時、令和6年11月10日に行われた行政書士試験の合格発表がありました。
合格した人も、残念ながら不合格だった人も、何かしらの制約の中努力をしてきたことでしょう。
合格・不合格のどちらかしかない残酷な世界です。
結果を喜んでいる方もいれば、ショックを受けている方もいるでしょう。
嬉しいのも、悔しいのも頑張ったからこそです。
本当にお疲れさまでした。
2024年の試験を共に振り返りましょう。
試験結果概要
試験結果の概要は以下の通りです。
統計出典:行政書士試験研究センター
合格率は12.9% 3年連続12%超え!
合格率は12.9%と3年連続12%を超えています。
合格率 | |
---|---|
2024 | 12.9 |
2023 | 13.9 |
2022 | 12.1 |
2021 | 11.8 |
2020 | 10.7 |
2019 | 11.5 |
2016年(9.95%)以降合格率10%を下回っていない。
逆に2000~2016年で合格率10%を超えたのは、2016年、2015年、2013年、2002年、2001年の5回。
合格者数、6165人
合格者数6,165名。
2年連続6,000人越え。
過去10年で合格者6,000越は3回、2017年、2023年、2024年。
また、2年連続合格者数6,000人を超えたのは、2001・2002年から22年ぶり。
合格者平均点は198点
2024 | 198 |
2023 | 197 |
2022 | 197 |
2021 | 198 |
2020 | 195 |
2019 | 196 |
2018 | 197 |
合格者平均点は198点
合格者平均点は動きがほぼない。
難易度はどうであったか? 昨年に比べたら難化した印象を受けるが、結果的に標準的だと言ってよい。
試験直後は「過去1難しかった」という声が多くでていました。
結果的に2年連続の合格者6,000人越、合格率12%超えという受かりやすい年になりました。
問題自体は決して易しいわけではありませんが、飛びぬけて難しい年とも言えない。
ある意味標準的な難易度であったかと思います。
ただ、科目ごとの難易度をずらしてくるという傾向はここ数年出てきています。
一方で、受験生全体のレベルはやや上がっており、結果として合格者数、合格率ともに(行政書士試験の過去データから見れば)高い水準になったと考えます。

試験直後に「過去1難しかった」の声が出るのは毎年です。
つまり、来年も過去1難しいと感じる試験が待っている。
受けるのであればそのつもりで対策してください。
合格発表当日のSNSを見ての感想
合格発表から6時間ほど経過してのSNSを見ていて感じた点として、思ったより記述の採点甘い?
はっきりと言えるほど数みているわけではありませんが、問題のわりに点数が高いように感じます。
かけた人と、そうでない人の差が大きいだけかもしれませんが、
合格者数のわりに記述の採点厳しさを感じないのが初日の印象。
また、データーがそろって来るとおそらくは変わってくると思いますが、結構甘めな採点をされた印象。
合格者の方へ
おめでとうございます。
うれしくて涙が出る人も多いですよね。
人生の中で泣くほど喜べることはそう多くない。
心から喜べるのは、それに見合った努力をしたからです。
今後、すぐに登録するのか、他資格に挑むのかそれぞれだと思いますが、今日の感動は忘れられないものであると思います。
ちなみに私は試験当日の夜に合格点を超えたことがわかっていましたので、記述待でモヤモヤした期間を過ごすことはありませんでした。
それでもマークミスや解答のずれ、合格点の引き上げ(冷静に考えてあるわけないのですが)等ないかの不安はあり、合格確定したときはかなりうれしかったのを今でも覚えています。
努力と犠牲で勝ち取った勝利
法学ガチ勢を除いて、合格をされた中で「楽勝でした」という方はほとんどいないと思います。
中には複数年の苦戦の末に勝ち取った方も多いことでしょう。
本当におめでとうございます。
遊びたい中、休みたい中、人が娯楽で楽しんでいる時に勉強をコツコツと積み重ねてきたことでしょう。
直前期は無理を重ねた人も少なくないと思います。
中には、仕事を辞めて専業受験生になった方もいるかもしれません(やってはいけないことですが)。
多くの「何か」を犠牲にして、多大な努力の上に今日の合格があるのです。
本当におめでとうございます。
登録しなければ意味がないわけではない。選択肢が増えたという事実
まれに、「行政書士試験に合格しても意味がなかった。」という方がいますが、本当にそうでしょうか?
確かに、登録しなければ行政書士と名乗ることはできません。
しかし、合格に有効期限があるわけでもありません。
いつでも登録可能です。
「意味がなかった」という方は、「登録する」という選択をしなかっただけの話です。
そして、登録できる権利を手放しているわけでもありません。
「しない」という選択をできること自体に価値があり、その道があること自体に意味がある。
選択肢が少ないと追いつめられることも珍しくはありません。
適度な数の選択肢は精神的なゆとりと自信になります。
今日の勝利はあなたの人生に(直接感じることは少ないかもしれないが)大きな価値をもたらすことになるはずです。
合格以降、仕事ができるようになった、モテるようになった、日常が楽しくなった。
こんな嘘みたいな話もあったりするのです。
まるで怪しい壺のようですが、これも選択肢が増えゆとりと自信という点からみれば何も不思議なことではありませんよね。
副次的な価値ではありますが、この副産物の影響が思ったより大きい人も、大勢いると思います。
すぐに実感できるわけではないのですけどね。
残念な結果になってしまった方へ
合格・不合格しかない残酷な世界です。
10人に1人程度しか受からない世界です。
2・3回の挑戦など当たり前の世界です。
落ち込む必要はない
今回残念な結果になったとしても、落ち込んだり、自分の能力に疑問を持つ必要はありません。
とはいっても、凹みますよね。
私は負けから学ぶことはとても多いと考えています。
だからこそ、一発合格に価値はないといっています。
本気で挑んだからこそ悔しい。
真剣だったからこそつらい。
いい加減に、適当に、記念や冷やかしで受けた人は大した痛みは感じません。
この不合格が痛ければ痛いほど、どこかの未来で必ずあなたの力になるはずです。
原因の分析は必ず
リベンジするにしても、撤退するにしても原因の分析だけは必ずしてください。
今までの挑戦を無駄にしないためにも、きついとは思いますが、なるべく早めにお願いします。
きつい言葉になりますが、「勝ちに運あり、負けに運なし」です。
量か、質か、習熟度か、様々あると思います。
何が原因か?
どうすれば同じ轍を踏まないのか?
リベンジするも撤退するも自由
冷たく感じるかもしれませんが、やるのも、やめるのも自由です。
個人的には、1度や2度なら挑んでほしいのが本音です。
2~3回目で合格する方は珍しくもなんともありません。
とはいえ、あの直前期のつらい日々をまた過ごせと言えるかというと・・・・・・。
「やり切った、出し切った」というのであれば撤退はありです。
そうでないのであれば、今年の試験まで300日を切っています。
やり切ってみませんか?
簡単なことでないのはわかっています。
つらい日々が続くのもわかっています。
なので、引くも、進むも自由です。
一方で期限を決めて、すっぱっと損切りできるのも能力です。
固執せずに切り替えて次に向かうことも誰にでもできることではないからです。
得たものは必ずある。ないとは言わせない。
この試験に挑んだ期間を無駄であったと思うことだけはやめていただきたい。
資格そのものは得られませんでしたが、得たものは必ずあるはずです。
今日まで確定しなかったのは記述の採点次第であったからです。
多くの人が、この資格を欲しいと考え、教材を手にします。
そのなかで、申込まで勉強を継続できる人はほんの一握りです。
さらに、1万円を払い申し込んでも5人に1人は受験会場に来ません。
そして、記述次第で合否が決まる人はさらに絞られます。
あえて避けていた表現でいえば、「おしくも」なのです。
働きながら、勉強を継続するのは並大抵のことではありません。
とても、すごいことです。
さらに、今日この日までに多くの壁をすでに乗り越えています。
残るは壁は「合格」の二文字だけです。
努力も継続もでき、一定以上の思考力と理解力がないとここまでたどり着くことすらできません。
これは決して(世間的な)平均的な能力ではできないことです。
あるいは、この勉強を重ねていく中で芽生えた能力です。
もちろん、上には上がいます。
きつく、苦しい勉強期間を過ごしてきたことが結果だけですべて無駄になることはありません。
目には見えないかもしれません。
今は実感ないかもしれませんが、あなたの中で必ず力になっているはずです。
来年度に向けた対策
ここからは、今年再挑戦するをする人だけに向けた話になります。
2025年試験は、難しくなると思って対策を進めていく必要があります。
大幅に難しくなることは考えにくいですが、同程度というよりはやや難になると考えています。
先にも触れていますが、2年連続合格者数6,000人を超えたのは22年ぶり。
昨年より合格者は微減です。
2025年も合格者数を微減させて5,000人台に落ち着かす意図が働くと予想できます。
やや難しくなる前提で準備を進めていく、結果として同レベルか易しいのであればそれでいいじゃないですか。
基礎知識が2024年は2問しか出ませんでした。
それもボーナス問題といっても過言ではない。
2025年も同様かどうか、正直わかりません。
とはいえ、今後出題数は徐々に増えてくると考えるのが妥当なので、2024年同様の対策で問題ないと考えます。