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2024(令和6)年行政書士試験、感想・総評まとめ

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行政書士を知る
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まずは、受験お疲れ様でした。

本試験にたどり着き、受験を終えられる人はそもそもごく一部です。

結果がどうであろうと、出来が良くても悪くても、頑張った日々は本物です。

誰にでもできることはありません。

さて、今年の試験は難しかったのか?易しかったのか?気になる人も多いと思います。

SNSの反応や講座の当日配信の内容から、今年の試験の特徴と難易度を探っていきましょう。

例年時間がたつにつれ感想・印象は変わってきます。

試験から10日ほど経過し、各校のデーターがそろってきました。
難易度や印象はどう変わってきたのか見ていきましょう。

追記:11月20日行政書士試験センターより、問題34を全員正解とする旨が公表されました。

試験終了直後の難易度の反応

「難しかった」という反応が多い。

どの年であっても当日は「難しかった」反応は多い。

これは、どの年も同じ。

ですが、過去2~3年よりやや「難しかった」が多い印象。

とはいえ、しばらくして予備校の正答率がそろって来ると、例年並みかやや難に落ち着くのではないか。

択一で180点を超えている人はそう多くなく、記述次第で大荒れにも、例年と似たような結果にもなりそうな印象。

雰囲気的には、民法で没問のにおいがしている、民法記述の一問がマイナー論点からだった点からも、令和元年に近いのかな?というのが、試験当日の印象。

択一の正答率が低いと記述が甘くなる傾向があるので、記述が的外れでもあきらめるのは早い。

現に令和元年、2年では的外れなことを書いた人でも高得点がついている。

逆もありますが…‥‥

試験10日後の様子

「例年に比べて難しかった」が初日の反応でしたが、データーがそろって来ると、例年と近い数値で点が取れています。

では、難易度は例年並みであったのか?といわれたら、全体としては「やや難」と考えてよいかと。

とはいえ、飛びぬけて難しい年だとは言えない。

ただ、多肢選択は飛びぬけて難しく、会社法も取りにくいなど難易度高めの科目も。

見たことない問題が多い‥‥はいつものことです。

試験当日の反応として、「難しかった」が最も多いのですが、次いでよく見るのが、

「過去問でやった問題がほとんど出てない」・「司法試験レベルで勉強しないと無理」・「過去問だけでは歯が立たない」といった内容。

非常に申し上げにくいのですが、これもいつものことです。

どの年も大体、過去問の再出題は40%程度。

試験委員の「過去問ぐるぐるだけで受かるようには作ってません」というメッセージがここ数年の傾向から見て取れる。

なぜか?

一つ推察できるのは、それをやると合格者数が予定より多くなってしまうから。

制度的には絶対評価だけど、実質的相対評価の試験だと考えたほうが良い。

「どういうこと?」と思った人はこちらをどうぞ。

過去問だけで合格可能かどうかは過去問のとらえ方次第。

可能不可能だけで言えば、可能。

科目ごとの難易度は?

基礎法学・憲法

例年通り、受験生のメンタル折に来ている。

憲法の難易度が少しづつ上昇してきています。

判例は結論知っているだけでは厳しくなってきている。

ちなみに、新しめの判例や改正点が出やすいのは行政書士試験あるある。

この辺も過去問でわかることといえる。

例えば、最大判令和3年2月24日が令和3年試験で出題されている。

基礎法学‥‥並

憲法‥‥去年よりはやや取りやすい。 それでもやや難~並。

行政法

例年通り並の難易度。

安定の過去問から大量出題。

行政法でどれだけ取れるのかで、点を稼げるかが決まる試験。

とはいえ、フェイントで公文書管理法が行政法として出てくる。

旧一般知識情報通信で時々でていたが、まさかこっちですか!?

民法

昨年は驚くほど取りやすかった。

本来の姿に戻った。

とはいえ、それでもまだ比較的とりやすい。

元々、民法がやたら難しいのが行政書士試験のデフォルト。

問題単位では予備試験・司法書士と変わらないと評する方もいる。

過去には難問、奇問も出されている。

今回は改正論点が多いが、それでも過去問で対応できた問題もいつか。

憲法でも触れましたが、改正点出題が好きな傾向は過去問から見て取れる点。

攻略法否定的傾向が今年も見える。

34問の解答が割れています。

今までは没問(全員正解)にするケースが多いのですが、両方正解というパターンも否定できるわけではありません。

過去の事例を見れば、没問になる可能性のが高い。

追記:11月20日、問題34の没問(全員正解)が発表されました。

出題ミスは今年を含め過去10年で4回。。。。。。。多くないですか!?

商法

取りやすいはずの商法が取れない問題に。

定番(7~8年連続出題だったはず、もっとかも)の設立が出てない。

会社法捨てるのは良くないのは誰しもわかるが、だからといって手が回るかといわれたら、難しい。

頻出分野だけは押さえる形で、2問取れればOKのスタイルは今後も変わらなさそう。

記述待ちの方は、合格発表までの期間で会社法と戯れておくといいかもしれません。

記述

3問のうち1問は書けないレベルは実はいつも通り。

ですが、2問書きにくいのは心理的な負担がかなり大きかったのではないでしょうか。

昨年が書きやすかった分余計に厳しい印象を受けた人が多いと思います。

とはいえ、完答は無理でも全く書けない人も意外と少なそうな印象。

書けなくても何かを書いておけば、択一が難しければ難しいほど、点になる可能性はあるのでめちゃくちゃでも埋めるのが正義。

予備校データから見ると、全体的に記述の出来はあまりよくなさそう。

そのため、厳しい採点になる可能性は少ない。

的外れでも点になる可能性はある。

結局は全体の択一の出来次第の相対評価。

基礎知識

制度変更後初の基礎知識。

諸法令たったの2問‥‥‥戸籍法行方不明。

さすが行政書士試験、斜め上の対応。

基礎知識全体でかなり取りやすい感想が多い印象。

情報通信が取りにくい。

EUがらみ過去に出ているとはいえ、対策できるわけもなく‥‥。

ただ、行政書士法・住民基本台帳法がかなり取りやすく、文章理解も取りやすく3問で5問。

情報通信・個人情報保護で1問でも取れていれば、足切りに心配はない。

あとは政経社の上積で法令科目を補う形になる。

法令の穴を政経社で埋める試験になってしまっている点は今年もかわらない。

政経社は今年も変わらず「違和感探しゲーム」、クイズといったほうが良いかも。

「違和感探し」になれるのが政経社の過去問の使い方だと私は考えています。

文章理解3問が精神安定上重要になってくるのは、これまでも、これからも変わらない。

その意味でも、最後に文章解くのは正直あまりおすすめはしない。

時間に追われると、取れるものも取れなくなるので。

記述の採点がどうなるのか?

記述の採点については、合格者数調整弁の役割もあるためなんとも。

現状の難易度のままで推移すれば、やや甘~標準的な採点がされるはず。

初日は「難しい感想」が多いが、データがそろって来ると結構取れていたりする。

結果的に、標準的な採点レベルになると予測できるが、書きにくい問題であったため、多少ズレてても点になる可能性は否定できない。

どうなるかは発表までわからないので、記述での可能性があるのならば、あきらめるのは早い。

補正措置の可能性はあるのか?

絶対ないとは言い切れないが、ほぼないと考えて差し支えない。

補正があったのは、平成26年一度だけ、合格点の引き下げがされた。

来年への対策は?

記述抜きで合格点を取れるのは猛者中の猛者。

記述次第の人が多いので、もしも残念な場合リトライの意志があるのであれば、忘れない程度のケアは必要。

忘れても完全に抜けるわけではないので、気分転換するのもあり。

いずれにしても、落ち着いたら本試験の振り返りはしてください。

ここからは、合格内定者にはあまり関係ない話。

刺激的な内容を含みますので、精神的にきつい人はブラウザバック推奨。

リベンジ・リトライの意志がある人限定。

来年も易しくはならない。そのつもりで対策をする。

今年が難しいから、来年は少し易しくなるのではないか?という人も出てくると思います。

ですが、かなり高い確率で大易しくなることはありません。

今年受験された方は、「なにこの難しい試験」と感じた人は多いでしょう。

「今年は特別難しかったんだ」と感じる気持ちもわかりますが、これは毎年のこと。

「過去問だけでは受からない」・「司法試験レベルの問題が出てる」なども毎年この時期は言われます。

難易度のバランスは変わるかもしれませんが、全体として易しくなる可能性はほぼない。

と考えて対策をしておく必要があります。

見たことない問題は来年も間違いなく出てきます。

講座選択を間違えない。

ここで触れる話ではないのですが、独学から乗り換えを検討している方が特に多いようなので触れておきます。

基本的に要点集約型の講座はリベンジ組には向いていません。

要点型は非常に効率の良い独学、半年未満で何とかボーダー付近に滑り込むためのものです。

また、記述抜きで残念な結果が確定してしまった方には、中上級・経験者向けはおすすめできません。

独学・要点集約型(フォーサイトやユーキャン、スタディング、予備校の短期コースなど)で振るわなかった方に向けたやや厳しめの内容(今読む必要はない、再始動するときにどうぞ)。

予備校系基幹講座で振るわなかった方に向けて、

アガルートを引き合いに出しているのは、中身をよく知っているからというだけの理由です。

予備校系基幹講座で結果が振るわなかった方に向けての話。

教材の再利用の可否、経験者コースか初心者向けのどちらが良いかの話などをしています。


独学でどうにもならないレベルなのか?独学では受からないのか?といわれたら決してそんなことはありません。

ただ、独学出身者ではありますが、人におすすめできるかといわれたら……。

受講できるなら受講したほうが良いとしか言えません。

参考までにどうぞ

不安をあおりたいわけではないのです。

ここ数年の傾向から「楽して簡単には受からせない」という試験委員の意思も感じます。

今年もその意図を感じる。

「○○だけで合格」のような、わかりやすいやり方は(精神的に)楽です。

ですが、これだけ情報が早い時代、多くの人が取る方法は対策されやすい。

今年も独学受験生の手薄なところを狙い打ってきたと思いませんか?

「ヤマや攻略法で簡単に受かると思うなよ。」とのメッセージがとりわけここ数年より強くなってきた。

最後に

受験された方にはいろいろ思うところもあるかと思います。

実力を出し切れなかった人のほうが多いかと思います。

記述待ちの方はじれったい日々を過ごすことになりますが、ひとまず全力で駆け抜けた2024年の行政書士試験お疲れさまでした。

長い期間をかけて勉強し、10人に1人の世界へ挑戦をする。

誰にでもできることではありません。

本当にすごいと思います。

結果はどうであれ、必死に勉強した日々は絶対に無駄にはありません。

目に見える方で結果とならなくても、なんらかの力になってあなたに帰ってきます。

本当にお疲れさまでした。

内容はあくまで速報をもとに私見満載で書きなぐったものです。

違った見方もあるはずです。

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