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行政書士過去問集は肢別と択一どちらが良いのか?

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独学
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肢別過去問と5肢択一式。

どちらも人気の過去問題集であるが、どちらが良いのか疑問に思ったことはありませんか?

なんとなく「人気があるから肢別でいいや」と思っていませんか?

どちらも優れた問題集ではあるものの、一長一短。

「どちらが良いのか?」の答えは、

  • そもそもどちらも過去問であり、それぞれ一長一短、両方やったほうが良い。
  • 肢別は知識を固めるのに向いているが、思考力を鍛えるにはやや弱い。
  • 5肢択一式は、思考力を鍛えるには向いているが、知識を固めるには効率が劣る。
  • 思考力と知識どちらかだけで合格するのは、不可能ではないが難しい。

それぞれの特徴を知れば、より効率的な学習が可能になると考えます。

そもそも、肢別、5肢択一式問題集ってなに?

これから行政書士試験の学習を始めようと思っている方は、そもそも馴染みのない言葉だと思いますので簡単に。

知っている方は読み飛ばしてください。

5肢択一式問題集ってどんな問題集?

行政書士試験は、5つの選択肢の中から正解を選択する、5肢択一式が最も多く出題されます。

例年であれば、60問中54問は5肢択一。

他には多くの選択肢の中から文の空欄を選ぶ、多肢選択式が3問。

解答を40文字で書く、記述式が3問出題されます。

試験で出た5つの選択肢から正解を選ぶ問題、そのまま掲載されているのが5肢択一式の過去問集。

「試験とまんま同じ問題」

肢別問題集ってどんな問題集?

肢別問題は〇×問題だと思ってください。

問題を分解して、選択肢一つ一つに〇×で答えていく形式。

問題集は一冊をやりこむ方が良いという定説には抜けている視点がある。

一般的な勉強で複数問題集をやるより、一冊を極めたほうが良いのは事実です。

あくまで行政書士試験に限った話だということを先に付け加えておきます。

そのうえで、肢別と5肢択一「どちらもやったほうが良い」というのが、私の結論。

どちらにもそれぞれ長所短所があり、双方に補完できるのが理由。

双方の特徴より前に知っておくべきことは、どちらも過去問そのものだという点。

どちらも、行政書士試験の過去問そのもの。過去問の重要性は言うに及ばず。

過去問の重要性は他の記事でも多く話しています。

過去問学習に重点に置くことで効率よく合格に近づくことができます。

「過去問学習だけで合格できるのか否か」と論争があるくらい過去問は重要で、合格への最短ルートであることに間違いはありません。

詳しくは以下の記事で

注意すべきは【過去問学習】と【問題集を一冊に絞る】はイコールではない。

つまり、肢別問題集にしても、5肢択一問題集にしても、過去問の一部を厳選・抜粋したもの。

行政書士試験対策として過去問学習が大切なのであって、一冊にこだわる意味はそれほど大きくはない。

結果としてどちらかは極めるまでやることには変わりない。

結果として、肢別にしても5肢にしてもどちらか、あるいは両方を極めるレベルまでやりこむ必要があることに変わりありません。

「一冊やりこむことが大切だからそれしかやらない」ではもったいない、という話をしています。

救いのない話かもしれませんが、それほどやりこんだとしても「過去問」だけを学習している範囲から出ていない。

肢別、5肢それぞれの特徴と、メリットデメリット。

肢別にしても5肢択一にしてもどちらも一長一短です。

それぞれのメリットデメリットを見ていきましょう。

互いのデメリットを補完していることがわかればOKです。

特徴的なのは、肢別は知識を固めることに向いており、5肢は実戦的な思考力を鍛えるのに向いています。

肢別問題集の特徴

肢別形式とは、一問一答形式で正誤判断ができる形式。

独学で最も人気のある形式。

代表的なのは、合格革命肢別問題集。

どちらかというと知識を固めるのに向いている。

長所
  • 学習初期のアウトプットに最適
  • 必要な知識だけを得やすい
短所
  • 〇×だけで解答を暗記してしまいがち
  • 肢の切り方を学びにくい

肢別メリット①学習初期のアウトプットに向いている

過去問は文字通り、過去に出題された問題そのもの。

そのため、勉強を始めたばかりでの問題演習では選択肢にまだ学んでいない部分が多々出てきます。

また、今後出題される見込みが低い(ないとは言わない)選択肢も含んでいます。

〇×形式の問題集であれば、比較的素直にアウトプットが可能。

無理なく進んでいくことが可能。

肢別メリット②必要な知識だけを得やすい

試験の問題そのものの中には、捏造・合成された選択肢が出てきます。

実際にはない条文や判例みたいなものが、さも実在するように出題されます。

これを見極める力は必要ですが、最初から覚える必要はありません(最終的にはネタ元を学ぶ必要はある、なぜならそれも過去問既出といえるから)。

肢別の問題集ではこれらの選択は除外されているため、必要な知識だけを学ぶことが可能。

肢別のデメリット

もちろん良いことばかりではありません。

  • 正誤判定を繰り返していくため、答えを〇×だけで暗記してしまう場合がある。
  • 試験本番はストライクばかりではない。ひっかけやフェイント選択が多く存在している。それらに対する対応力を鍛えるのに5肢のほうが向いている。

5肢択一式問題集の特徴

本試験と同様、5つの選択肢の中から正解を一つ選ぶ形式の問題集。

代表的なのが、出る順行政書士、通称ウォーク問。

どちらかというと、実戦的な思考力を習得するのに向いている。

長所
  • 実戦的な問題演習が可能
  • 過去問レベルで知識の幅を広げることができる
短所
  • 学習初期では解けない問題も出てくる
  • 捏造や合成された選択肢もあり、知識効率はやや弱い

5肢択一式のメリット①実践的な問題演習ができる

試験のそのままの形で問われるため、実戦的な問題演習ができるのが最大のポイント。

行政書士試験はいやらしいひっかけや思考の駆け引きを仕掛けてくる問題も多い。

特に知識で2択に絞ることはそれほど難しくはないが、その2択を取りこぼすは行政書士受験経験者あるある。

ひっかけ方の特徴や、思考の誘導などの癖に慣れておく必要性はかなり高い。

法学部やロー出身者でも不合格が多いのは行政書士試験の独特の癖が影響しているといっても差し支えない。

5肢択一のメリット②過去問レベルで知識の幅を広げることができる

選択肢の中には捏造や合成された肢も少なくない。

ただ、ネタ元は存在しており、そのネタ元の条文判例も過去問既出といえる。

そのため、これらのネタ元が再出題される可能性は十分にある。

肢別でははじかれる肢であるこれらのネタ元まで学習できるのが5肢の強みといえる。

5肢択一のデメリット

  • 5つの選択肢すべてが特定のテーマで占められているわけではない。そのため、勉強を始めた直後のアウトプットでは苦労する。
  • 過去問レベルとはいえ、捏造肢や合成肢まで学ぶため、全体として学ぶ量が多くなる傾向がある。
  • どれがコアの知識であるのかの判別が難しく、基礎を固める速度は肢別のほうが勝る。

互いの弱点を補いあえる。

肢別にしても、5肢択一にしてもお互いの弱い点を補完しあえる。

くどいですが、両方やったとしても過去問学習の域は出ていません。

どちらが良いかと問われたら、「両方やりましょう」が私の答えです。

最後に著名な2冊を比較してみましょう。

合格革命肢別過去問題集(2024)には2733肢、出る順行政書士過去問題集には10年分の問題が掲載されています。

単純比較はできませんが、肢別2733肢は5肢換算で546問相当。

過去10年分の5肢択一は、年あたり54問なのでおよそ540問となり、ボリューム的にはほぼ変わりません。

じゃあ、ほとんどの問題は重複しているのでは?と思った方もいるかもしれません。

重複している部分も相当数ありますが、明確な違いがあります。

合格革命は過去問すべてを掲載していな代わりに、10年以上前の過去問も取り入れています。

それこそ、昭和の問題も(例えば、2024年度版でいえば、P344行政事件訴訟の類型、2問目)。

さらに、重要であると判断できるとこではオリジナル問題があります。

反面、直近の過去問でも未掲載なものがあります。

ウォーク問(出る順)は、直近10年の問題を掲載している代わりに、それ以前の問題は未掲載。

行政書士試験において過去問の再出題率は、年によって違いはありますが、過去10年分が最も多い。

最も多いだけで、それ以前の問題も出ます。

そして、すべて合わせても過去問からの再出題は例年およそ40%程度です。

行政書士試験合格には60%の180点が必要。

思考力・テクニック・人生経験・運などをフル動員して、残り20%をむしり取るのが独学の戦い方。

いにしえの問題も含まれている肢別で知識を固め、最もリメイク率が高い過去10年分を使いながら知識と思考と技術を学べる5肢択一問題集で整えていくのが独学での効率的なやり方だと、私は考えます。

結局、両方やった方が良い。

ちなみに、最新年度は例年2月頃の販売。

販売開始してから始めるはおすすめできません。

理由はこちらを、

とはいえ、年内開始は前年度版を使うしかない。

重大な法改正があれば話は別がだ、2025年目標であれば2024年度版でも問題なく使える。

販売開始後に最新版に移行することを強く奨励、多少の法改正や傾向の変化はあるため。

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