2022年1月26日午前9時、令和3(2021)年度行政書士試験合格発表。
試験結果は行政書士試験センターのHPで合格者の受験番号が都道府県別に掲載されています。
詳細な点数は圧着はがきで郵送されてきます。(普通郵便でポストにいれられます。郵便事情で当日に投かんされるとは限りません。)
合格した人も、残念ながら不合格だった人も、誰しも何かしらの制約の中努力をしてきたことでしょう。
うれしくて、悔しくて涙が出る人もいる試験です。
合格・不合格のどちらかしかない残酷な世界であることも事実です。
結果を喜んでいる方もいれば、ショックを受けている方もいるでしょう。
今年の試験を一緒に振り返りましょう。
受験予定の方も行政書士試験とはどんな試験なのか雰囲気を掴めると思います。
次年度に向けての対策もお話していきます。
話の流れは以下の通りです。
- 試験結果の分析
- 合格者の方へ
- 残念な結果になってしまった方へ
- 令和4年度に向けての対策はどうする?
初めて当ブログを見に来てくれた方が多いと思いますので、簡単な自己紹介をさせてください。
- 大学は経済学部出身で法律は行政書士試験で初めて。
➡教員免許取得にあたり、憲法が必須だったような気がするが、ほぼ出席することなく単位をとってしまう。
➡教員免許は使うことなく未更新で絶賛放置中 - 2017年:行政書士試験に独学で合格。
➡合格通知と得点表 - 2018年:ライティング、マーケティング、コピー力など各種スキルアップのため当ブログを開始。
➡試行錯誤の末、行政書士試験関連以外の記事を全削除し現在へ至る。ブログタイトル「岡島家の四方山話」今はまったく「四方山(雑多な、色々な)」をしていないのは開設当初の名残。 - 2021年:おすすめするからには自分でも使ってみたいと、アガルート行政書士講座入門総合カリキュラムを受講。
➡合格済みで講座を受講するという、あほとしか言いようがない行動の結果、独学とのあまりの差に圧倒される。
何が違ったのか知りたい方はこちら
情報がそろい次第随時更新していきます。(1月26日16時時点)
令和3年行政書士試験結果分析と考察
試験結果の概要は以下の通りです。
- 申込者数 61.869人
- 受験者数 47.870人
- 受験率 77.37%
- 合格者数 5.353人
- 申込者数に対する合格率 8.6%
- 受験者数に対する合格率 11.18%
- 合格者平均点 198点
合格率申込者数3年連続増加
平成30年まで減少トレンドあった行政書士試験の申込者数ですが、令和に入り増加に転じてします。
人数 | 前年比 | |
令和3年 | 61.869 | +7.022 |
令和2年 | 54.847 | +2.457 |
令和元年 | 52.368 | +1.460 |
大まかな平成22年から令和元年までの流れはざっくりと表で
令和3年度の申込者数は平成26年度と同水準であり、平成30年度を底に増加していることがわかります。
行政書士人気はもうしばらく続くと考えられます。
次年度も【何事もなければ】申込者数は増加するのではないかと考えられます。
しかし、受験料の値上げが予定されており、適応されれば申込者数は減少するでしょう。

7.000円から10.400円はちょっとあげすぎピヨよ
総じて、横ばいでないかと現時点では考えています。
合格率11.18%は高いのか?
合格率は高くはありません。
低くもありません。

行政書士試験らしい数字であるといえます。
令和元年同等の値です。
合格率10%を下回ったのは過去10年で3回
- 平成24年9.2%
- 平成26年8.3%
- 平成28年(四捨五入で)10%
直近5年でみると10%下回ることはありません。
では、今後も同様の傾向が続くのでしょうか?
来年度は合格率が10%を下回る可能性は十分あります。
これまでの傾向で合格者数が5.000人を超えた翌年はほぼ4.000人台に絞ってきています。
4.000人台に絞っても合格率が10%を下回らなかったのは、受験者数が減少してたから。
令和4年度受験者数が5万人を超えた場合、合格率は10%を下回る可能性が高いといえます。
仮に、受験者数が今年と同水準、または減少であったとしても、10%かやや下回ると考えて対策をするべきです。
受験者数と受験率
申込者数が増えていますので、受験者数も増えています。
一方で受験率は77.37%、多少の違いはありますが、いつも通りの結果です。
申し込みをしても、4~5人に一人は試験に行かない。
コロナ禍だからだと考える人もいるかもしれませんが、少なくても過去5年でみるとあまり変わっていません。
20~25%は申し込んでも試験を欠席しています。

欠席者数13.999人×7.000円なので、97.993.000円がセンターに寄付されたピヨ。
毎年同じこと言っていますが、今年も言います。
一発合格や短期合格に価値はありません。
挑戦と継続の方がよほど重要です。
仮に不合格であったとしても、失敗から学ぶことはめちゃくちゃ多いのです。
来年受験予定の人は、申し込んだら受験しましょうね。
もちろん、特殊な事情がある場合は別です。

あの独特な雰囲気の中で3時間集中する経験はなかなかできるものではありません。
私は、試験終了後しばらく疲労で歩けなかったのを覚えています。
合格者数増
合格者5.353人
前年比+883人
ほぼ20%増加しています。
人数に限らず、問題を見てみても、比較的取りやすかった年であるといえます。

ただ、取りやすいといってもこの難しい試験の中では比較的取りやすい年であったというだけで、一般的には十分以上に難しい試験であることに変わりありません。
合格者平均点198点
- 平成30年、197点
- 令和元年、196点
- 令和2年、195点
- 令和3年、198点
合格者平均点の公表が始まったのは割と最近のことです。
前年に比べ3点上がっています。
合格者平均点はこれから受験をする方にとっては目標の数字です。
次年度以降も大きく変わることはない(択一1問程度の範囲)と考えます。
最も重要なことは、年度により問題の難易度に多少の変化はあるにせよ、合格者への影響はそこまで大きくありません。
択一1問程度の差です。
合格者は難易度に左右されない実力をつけている方が多いといえます。
令和3年度行政書士試験の特徴
一言でいうのであれば、令和に入り最も取りやすかった年であるといえます。
特に最も配点の大きい行政法が比較的易しく、過去問レベルで十分に対応ができたのではないでしょうか?
憲法も比較的取りやすい問題。
反面、民法・商法・会社法は比較的難しい。
一般知識も各予備校のデーターではかなりの得点をとれてはいるようですが、かなり癖の強い問題があり差が大きく出たのではないかと思います。
記述の情報がまだ集まっていませんが、かなり厳しい採点をされたとみて間違いないと考えます。
全体的な印象としては、昨年や一昨年程法令の難しさは感じませんが、その差は大きくはありません。
やや、取りやすい年であったといえるます。
どの程度の差なのかといえば、合格者平均点の差、2~3点分。
見事合格者された方へのメッセージ

本当におめでとうございます。
決して楽な試験はなかったですよね。
その分喜びも大きい。
私も当時「マークミス」や「合格点の引き上げ」の可能性に恐怖していたのを今でも思い出します。
【平成26年に合格点の引き下げという現代未聞の処置がなされているので、逆もありうる。】
普通に考えて引き上げなどあるわけないのですが、でもそんな謎の心理に陥る程度には不安でした。
択一で180点を超えていても、この心理になるわけですから、記述如何の方々はどれほど不安な2か月半であったことでしょう。
心からお祝い申し上げます。
人生の選択肢が確実に増える勝利
何度でも言います。
『おめでとうございます』
2月10日には合格証が発送されます。
当然、登録し行政書士として起業することができます。
さらに上位の資格を目指して学習を続ける人もいることでしょう。
登録を視野に入れつつも、ビジネスとして勝てる施策を十分に検討してからの方もいると思います。
ほかの選択肢もあると思います。
確実なことは人生における選択肢が増えたのです。

20代のころに合格した方が、定年後に登録したという話もあります。
選んだ道が正解であるかは誰にもわかりません。
ただ、自分で選ぶことができることはとても価値があることです。
人によっては不思議な効果があったりもします。
中には、行政書士試験に合格したら、今の仕事も好調になり楽しくなってきた、という怪しげな効果まで出る方もいます。
モテるようになったという方もいます。

なんかとんでもないこと言いだしたピヨ。怪しいし、いい加減なこと言ってはいけないピヨ。
確かに怪しいですが、なにも不思議なことではありません。
テストステロンって聞いたことありますよね?
男性ホルモンのことです。
もてホルモンや勝利ホルモンとも呼ばれています。
テストステロンは勝負に勝つと増えることが分かっています。
活動的になったり、精力的になったり、異性へのアプローチが積極的になるなどの効果が知られています。
詳しいことは専門の方にお任せするとして、(男性であれば)そういう怪しげな効果も全く事実無根ではないということです。
最も、この試験である必要はありませんので、これから受験する方に話すことではありません。
が、すでに勝利を得ている皆様であれば、副次的な効果も発現する可能性があることを知っておいて損はありません。
いずれにしても、単に資格を得たというだけに留まらずに、意外な副産物に気が付く時が来ると思います。
この合格は、一面的な登録できる資格を得るだけではなく、何かしらあなたに影響を与える勝利である。
本当におめでとうございます。
残念な結果になった方へ
残念な結果になってしまった方へお伝えしたいことがいくつかあります。
ですが、今はショックが大きいことでしょう。
今日この日まで合否がわからないということは、記述の採点次第であったということです。
記述の採点次第というレベルまで得点できることは誰にでもできることではありません。
仕事をしながら、家事・育児をしながら、など何かしら制約を受けながら勉強を積み重ねることはそれだけですごいことです。
実際、
- 多くの方が行政書士試験合格を目指し勉強を始めようとします。
- かなりの人が試験申込までに諦めています。
- 受験料を支払っても、(例年)20%程度は試験会場に来ることはありません。
- 試験を受けても何割かの方は記述の得点にかかわらず不合格がきまっています。
もちろん、推察です。
ですが、書店に行けば多くの出版社からテキストや問題集が発売されています。
講座を行っている企業や個人もかなりの数が存在します。
これらを鑑みれば、かなりの人数が申込前に挫折をしていると考えたほうが自然です。
今は落ち込んでいるかもしれません。
ですが、あなたは現にこれだけのハードルを越えてきているのです。
十分にすごいことです。
ここまでこれたのです。
勉強が苦手だとは言わせません。
理解力もあるし、コツコツ努力もできる方です。
今はとても悔しくて、無力感を感じているかもしれません。
本気だったから悔しいのです。
いい加減に、適当に受験した方はさほど悔しさを感じることはありません。
この先どうするかは自由です。
撤退するもよし、リベンジに挑むもよしです。
いくら言葉を並べても、結果がすべてだと思う方もいると思います。
「勝ち戦より、負け戦に学ぶことが多い」
頑張った日々を、無駄だったと考えるのか、価値ある経験にするか、これもあなた次第です。
令和4年はどうなるか?
令和4年の予測をしていきましょう。
未来のことなので外れる可能性はありますが、今より易しくなる可能性はまずありません。
- 法令科目の難易度は上がる。
- 一般知識の難易度は変わらない。
- 全体的な難易度は上昇。
易しくはならない。 - 具体的な対策は?
法令の難易度は同様か、やや上がる
平成後半と比べ、令和になり少しづつではありますが、難しくなってきています。
なぜ難しくなってきているのか、
- 受験生向けコンテンツの爆発的増加
- 予備校や講座の競争が激化して、品質が向上している
- 受験者数の増加
受験生向けコンテンツの爆発的増加
特に動画コンテンツが爆発的に増えており、だれでも利用できるようになっています。
万人が利用するため、受験生全体のレベルの底上げになり難易度を押し上げます。
もはや知っていて当たり前の世の中です。
予備校、通信講座の競争激化
かつて行政書士は今の倍とまではいきませんが、かなりの人数が受験していました。
ここ数年増えてきているとはいえ、合格率一桁の時代ほど受験生が多いわけではありません。
そこで、各講座が受験生を取り合うわけです。
この競争が講義や教材の品質を押し上げています。

一定以上の成果がないとあっという間に淘汰されるピヨ。
良い評判は中々広がりませんが、悪い評判が広がるのは早いですからね。
受験者数の増加
長く減少傾向であった行政書士の受験生ですが、令和に入り増加傾向が続いています。
受験者数の増加は合格率の低下をもたらすのは先に述べたとおりです。
ですが、今年度は11%であり、やらかした感があります。
来年度は10%を下回る可能性も視野に入れる必要があります。
総合的な難易度はやや上昇だと思って対策を
全体的な難易度は上昇すると思われます。
変わらない可能性はこれまでの傾向見てもないと考えたほうがよい。
何より、合格を本気で狙うのであれば難易度に左右されない実力が必要。
令和4年行政書士試験対策は?
前提としてやるべきことが変わるかと言ったら変わりません。
ですが、精度が求められます。
独学で合格の可能性は確かにあります。
ですが、相応の対価を支払った方が確率は格段に上がります。
先にも述べたように、各講座がしのぎを削って価格に見合った価値を提供しています。
基本は学習量×学習の質です。
合格点を狙った勉強では厳しいことは実感されていると思います。
目指すべきは合格者平均点です。
つまり、約200点を目標に悪くても180点で滑り込むのが理想の形です。
そのために、原因や対策がはっきりしているのであれば問題はありません。
ですが、不安があるのであれば以下を検討してみてください。
- 対策がわからない、または学習の質に問題があった。
- 対策はわかる、質にも自信がある。でも、勉強量の確保が難しい。
①対策がわからない、学習の質に不安がある、問題がある。
これらの方は講座の受講を強く勧めます。
ほぼ毎年のことですが、「講座を受講してみて自分がいかに理解できていなかったか身に染みた。」という声がとても多いです。
私も、冒頭の自己紹介でもお話しした通り、合格済みなのに講座を受講させていただきました。
その感想は「まるで異世界」です。
恥ずかしながら、間違って覚えていたところも一つや二つではありませんでした。
詳しくは

多くの講座の中で、特に再受験生にお勧めできるものが以下の2つです。
基本的にはどちらもおすすめです。
価格を選ぶか長年の実績を選ぶか、どちらも品質は最高峰です。
- 予備系としては価格は最低水準、ボリュームと品質は最高水準、両極端なぶっ壊れ講座です。(2月末まで限定割引30%off)
- その中でも経験者向け講座、中上級総合カリキュラム+今年度使用した過去問集(特に行政法はマスト)を併用するスタイルがおすすめ。
- 2020年合格率67%
2019年度合格率70%オーバーは伊達じゃない。
合格率が高すぎて怪しいと思う人は「アガルート行政書士講座の高すぎる合格率は嘘なのか!?」も読んでください。 - 2022年1月31日まで教育クレジットローン分割手数料0円キャンペーン実施中
- アガルートについて詳しくはこちらの記事をご覧ください
- アガルートの豊村先生がせわしない、老舗がいいと思う人には、
- 法律系資格では圧倒的な実績と知名度を誇る伊藤塾がおすすめ。
- 説明不要の名門塾。
- 価格は高め、それでも多数の利用者がいるのは価格に見合った価値が提供できているから。
注)記述込みで150点以下の方は、初学者同様の対策が必要です。
再受験生に攻略法系の講座は全くお勧めできません。
②質には自信がある、対策もわかる。でも、時間が厳しいという方
かなり多いと思います。
仕事、家事、育児、介護などの時間的な制約の中で勉強時間を捻出するのは簡単なことではありません。
いかにタイムマネージメントをするかが肝になります。
とはいえ、問題集やテキストをいつでも持ち歩けるわけはありません。
こういう方にお勧めしたいのが、独学+スタディングです。
スタディングは隙間時間に特化した講座だといって差し支えありません。
総合的には、先ほど紹介したアガルートや伊藤塾に軍配が上がります。
しかし、隙間時間の利用に関していえば、非常に有用です。
そして、行政書士の講座の中ではかなり安価です。
単体の性能ではメリットはさほど感じません。
メインは独学や前年の講座の教材を利用しつつ、問題点である時間をひねり出すために効果的であると考えます。
文字通り、「いつでもどこでも勉強中」というスタディングのキャッチフレーズ、旧称の通勤講座でもこのコンセプトは見て取れると思います。
また、次善の策ではありますが、比較的安価なため、金銭的にどうしても安くしなければいけないという方も検討に値します。
公式サイトはこちらからスタディング 行政書士講座
希望がありましたら、スタディングを使用した効果的な勉強法など記事化したいと思います。
最後に
合格した方、おめでとうございます。
コロナ禍で社会情勢が大きく変化する中、思うように勉強できない方も多かったと思います。
そんな中で合格を勝ち取れたとこは本当にすごいことです。
今回惜しくも残念な結果に終わった方も、リベンジするのか、撤退するのか、独学なのか講座なのか、どれを選んでも後悔のない選択をしてください。
いずれの皆様も、受かった人も、受からなかった人も全員全力で挑んだ令和3年度行政書士試験、本当にお疲れさまでした。
この記事を書いた人
岡島 真