6月も後半に差し掛かったころ、数年ぶりに幼馴染のS君から連絡が来ました。

しん、久しぶり。お前行政書士持ってるよな?
アイコンの設定が間に合わなかったので、サングラスかけたひよこちゃんをS君に見立てて話をすすめます。

よ!おひさー、数年前に取った。
ってなんで知ってるねん。

俺も取りたいと思っているんだけど、できると思うか?

唐突にどうした?まさか・・・

いや、まだリストラされたわけじゃないのだけど・・・・。
そういってS君は現状を話し始めた。
S君の簡単な経歴と現状は以下の通りだ。
- 子供の頃はユニークな発想でよく真をおちょくっていた。
- 高校卒業後、就職。
- 工場勤務で転職歴なし・独身。
- コロナ禍で会社が業績不振で、少ない年収がさらに下がっている。
- 年齢的に転職には希望が持てない。
- 現職にも希望が持てないため、まずは副業として独立してみたい。
要約すると、こんなところだ。
S君の相談の肝は、7月から勉強を始めて行政書士に合格できる可能性があるのか?
と言うことである。
この相談の内容は以下の流れで進んでいった。
- 副業で行政書士を選んだ理由?
- 高卒社会人が4か月で合格できるのか?
- 4か月で合格を目指すための勉強法。
副業で行政書士!?

副業ならほかにあるやろ!?
なんでまた、資格取ってからしかできない行政書士を選んだわけ?
私自身、資格を取れば人生を変えることができるというのは、間違いではないと感じています。
しかし、ただ資格を取っただけで人生が変わりますか?
むしろ、難関の国家資格なら取るだけで人生変わるだろう、という思考は非常に危険だと考えています。
副業と言えばWワーク・・・・・って、消耗しかしない。

ダブルワークでバイト入れたところで小銭は稼げても、それ以上は何もない。
会社に頼らず、自分で稼げる力が欲しいねん。
確かに、親と同居している独身のSは目下の生活に困窮しているわけはないだろう。
生活に困窮していて、目下の現金が必要であればダブルワークが一番手堅い。
しかし、どうせ消耗するのなら自分で稼ぐ力を身につけたいという考えである。
D君事件で法律に興味を持つ。

Dのこと覚えているか?
D君はSの会社の同期で、Sと遊ぶときにはなぜか高確率でD君も一緒で、私とも仲良くなったわけだが、D君は現在行方不明だ。
10年以上前の話であるが、行方不明になったきっかけは、D君の親が作った借金だった。
過払い金の判例でるより前の話である。

D君から連絡あったの?

いや、音信不通や。
私とSは、当時D君から親の借金で辛い思いをしているという話を聞き、弁護士に相談に行くように強く進めた記憶がある。
その後、会社にも迷惑をかけたと思ったのか、会社にいられなくなったのか、退職金で返済するためだったのかわからないが、D君は退職をして、以後連絡がつかなくなった。
この事件は、私が法律を学んでみたいという欲求に少なからず影響を与えたのは事実である。
そして、Sにも心のどこかで法律を学びたいという気持ちがあったようだ。
自分で稼ぐ+法律の勉強=行政書士
Sの希望は以下の2つである。
- 労働者ではなく経営者になりたい。
- 心のどこかにあった法律を学びたい。
そして、コロナ禍で自分の生き方や今後を考えさせられたという。
緊急事態宣言下で工場の操業は停止し、自宅待機の中、ようやく自分の人生に向き合う時間ができたとSは語った。
いろいろ情報をかき集め、6月後半になってから私に連絡がきたという次第であった。
経営者+法律=行政書士
という公式が正解かどうかはわからない。
しかし、他士業を目指すよりは現実的であり、なにより自分が変わるために具体的なアクションを起こすのだという、彼の決意に心の底から応援したいと思った。

・・・・・という訳なんや。力を貸してくれへんか?

なるほどね、わかった。
できる限りのアドバイスはする。
でも、結果に関しては一切責任は取れないぞ。

当たり前や。それで構わん。ありがとう。
高卒初学者が4か月で合格できる!?

先に言っておくが、今年合格できる可能性は1%もない。

今年は受けずに来年目指せということか?。

いや、今年も受験はしてほしい。
可能性はゼロではないが、めちゃくちゃ厳しいと思って。
短期合格者の属性は?

ネットでは、3ヵ月で合格とか言う話たくさんあったぞ。
4か月ちょいなら俺でもワンちゃん勝負にならないかな?
なるほど、短期合格者の話はたくさんあります。
ですが、3ヵ月や半年程度の短期合格者にはある共通点があります。

ちょっといくつか問題を出すね。

①日本の最東端の島は?
②山崎豊子の代表作は?
③民法のモデルになったのはどの国?

はあ?しらんしそんなもん。
これが何の関係があるねん(怒)

これ実際に出題された問題なの。

マジか・・・・。

①と③は社会でやってるはずやねん、忘れているだけで。
②に関しては白い巨塔はきいたことあるやろ?ドラマになったやつ。医院長の総回診でぞろぞろ歩いてるやつよ。
何が言いたいかと言うと、短期合格者の人は試験対策の勉強しなくても取れる問題が一定数あったということなのです。
特に、一般知識において露骨に表れます。
来年が本命でも必ず今年も受験しよう。

ほな今年は無理だというんやな。

現実問題「実力」での合格はほぼ無理だよ、でも必ず今年も受験してほしいの。
来年が本命でも今年受験してほしい理由は2つあります。
- 運で合格の可能性は十分にある。
- 実戦に勝る練習はない。
運での勝ち筋は消えていない。
全くの初学者でも4か月効率的に勉強に打ち込めば、150~160点台をとることはそう難しくはありません。
行政書士の試験方式はメインが5つの選択肢から一つを選びマークする、五肢択一形式なのです。
つまり、適当に勘でマークしても確率的に10問中2問は得点できます。
かりに、会社法、基礎法学、政経社で豪運を発揮すれば奇跡的な合格も不可能ではない。
実戦に勝る練習はない
もし仮に、何かのスポーツのクラブを立ち上げたとします。
できたばかりの素人集団がいきなり大会の上位を狙えるかと言うと、まあ無理です。
では、大会にエントリーしないのか?
といったらしますよね?
実戦を通して得られる経験は練習よりもはるかに大きいからです。
同じことが試験にも言えます。
来年が本命でも今年受験する意味は大きい
一発合格にこだわるなら話は別ですが、細い勝ち筋が残っていて、落ちた経験は無駄にはなりません。
来年、本命の試験を余裕を持って迎えられるわけですから。
今の時期からチャレンジを始めたとしても必ず今年も受験するべき理由はあるのです。

そういう意味ではワンちゃんあるといえるよな。
初学者が4か月で合格を目指すための最低限の条件
どれだけ運が良くても、運で取れる問題は限られています。
そのため、最低でも半分は取れる実力がないと合格は不可能です。
ですが、150点台をとるハードルはそこまで高くありません。

4か月あれば150点台なら何とか狙える。後の30点は運しだい。
4か月で合格を目指すための学習方針

なるほど、150点は取れる可能性があって、運が良ければ合格も夢ではないんだな!
よし、さっそく本屋行ってテキストと問題集買ってくる。
どれかえばよい?

えっとね、今から本屋行ったら確実に落ちるどころか、来年も受験しなくなるよ。

はーーーーーー???なんでやねん。なめとんのか。
独学は無理
初学者であり、かつ長い間体系的な勉強をしていない人がいきなり行政書士用のテキストを読んでもまず理解できません。
テキストも過去問も過去問の解説も呪文にしか見えないのです。
一年かけてどうしても独学で勉強をするしか選択肢のない人には一般向けの入門書から入ることをおすすめしています。

ですが、今回はとても時間が足りません。
入門書読んで、テキスト読んで、ようやく問題が何を聞いているのかわかるわけですが、それでは遅いのです。
問題を解ける頃には本試験になってしまい。
結果100点もとれない。
そんな未来が待っています。
苦痛と絶望以外のなにものでもありません。
そんな状況で本命の来年まで粛々と勉強を続けることは、よほど意思が固くても厳しいのが現実です。

じゃあどうしたらいいねん。
買うのは時間

お金で時間を買う。

????
私は通信講座を受講しろとい彼にいいました。
もっと具体的に言うのならば、資格スクエアの行政書士合格パックを受講するべきであると伝えたのです。
行政書士の勉強で初学者が最も時間がかかるのが基礎力を付ける段階です。
独学であれば勉強の半分以上を基礎を身につけるために消費します。
その時間を短縮するのが講座の役割なのです。

時間を買うか、なるほど。
もっと具体的に、過去問や動画を使って講義を利用したらどれだけの時間を短縮できるのか体験してもらいましたが、途方もなく長くなるので割愛します。
以前、妻のあいに協力を願ってアガルートの公開講座を利用した実験と同じことをしました。
詳しくはこちらを

なぜ予備校ではなく通信なのか?

なぜ通信?しかも、めっちゃ具体的に講座指定してくるやん。
理由は3つあります。
- 通学は時間の無駄。
- 時間がなさすぎるために、やるべきことを絞る必要がある。
- ある程度精度のあるヤマをはる必要がある。
特に②と③が資格スクエアを選んだ理由です。
通学は時間の無駄
基本的に一人で勉強できないのであれば、選ぶ資格ではありません。
合格後も勉強の日々ですからね。
そのうえ、仕事と睡眠以外で言えば、家にいる時間が一番多いわけですからその時間を可能な限り勉強に充ててもらいます。
移動している時間があれば勉強しようということです。
これも、長期になれば変わってくるのですが、4か月という短い時間では移動の時間すら惜しいのが現実です。
まして、このご時世です。
外出できずに勉強できるなら、その方が大切な友人を危険にさらすこともないし、外出を伴う通学をすすめるのも違うと考えました。
学ぶべき範囲を絞る。
短期間の勝負になりますので、やるべきことと、やるべきでないことをスパッと分ける必要があります。
網羅的な学習では時間がとてもじゃないが足りません。
よって、網羅的な学習がベースの予備校は除外です。
出題頻度の高い分野を重点的に学び、出題確率の低いところは切り捨てる学習が必要になってきます。
フォーサイトか資格スクエア
学習範囲を絞り、出やすいところに焦点を当てた学習を得意としているのは、フォーサイト行政書士講座 と資格スクエア行政書士講座
です。
これもまた、半年程度の時間があれば、実績豊富で講義・テキストとも高品質なフォーサイトを勧めるのですが、資格スクエアにしかない魅力のためSに対しては資格スクエアをすすめました。

この資格スクエアとかいうとこにしかない武器ってなに?
強力なヤマはりツール未来問の存在
本来、年一の試験でヤマをはるのはおすすめしません。
ヤマをはらなくても150点は現実的に4か月で十分に到達可能です。
ですが、後の30点を取れる確率を上げるのであれば、5択を引き当てる運だけでなく、ヤマが当たる運も味方につけた方が、細い勝ち筋がわずかながらに太くなります。
そして、出題予測に関しては実績のある、AIを駆使した未来問の存在が大きいのです。
未来問に関してはこちらをご覧ください。

もちろん、Sには未来問の概要を丁寧に伝えました。

AIすげーーーー。これはやれるんじゃない?

げ、電話番号も入れるのか・・・・。

おれも登録しているけど、電話かかってきたことないよ。
メールもオンライン自習室の案内とか興味深いものがくるし、メール配信offにもできるから。
Sの場合未来問を使用するのは10月後半に入ってからで良いです。
普通に勉強してきた方は9月~10月の間で予測された分野をさらに固めていくと良いでしょう。
学習時間の確保
教材がきまり、後は時間との戦いとなります。

俺、普通に残業とかあるんだけど・・・・。

知ってる。なので、家にいる時間はできる限り勉強に充るのは当然として、隙間時間で勉強する工夫をしてほしいの。
Sは車通勤ですから、通勤時間では耳があいていることになります。
ですから、私もよくやっていましたが、運転中は講義を音声のみで聞き流す。
効果は決して高くはないのですが、やらないよりははるかにまし。
行儀良くはありませんが、昼食取りながらスマホ片手に勉強も資格スクエア行政書士講座ならできます。
極論ですが、
耳が開いていれば講義を聴く。
スマホに触れれば勉強できる。
隙間時間をうまく使い爆発的に勉強時間を確保するだけでなく、飽きや疲労を感じにくい学習にもつながります。
もちろん、週末はガッツリ勉強するんだよ。

真は休みの日は何時間くらい?

息子に邪魔されながらも大体8時間はやったかな。
直前期は12時間はやってたはず。
ただし、絶対に睡眠時間は削ってはいけません。
具体的な勉強方法

でさ、どうやって勉強してくのが効率良いの?

講義体験してもらったときと基本的には同じだよ。
講義を視聴⇔過去問を解く
基本は講義⇔演習の繰り返しです。
2周もすれば講義はわからないところだけで十分です。
問題先行で間違えたらテキストで確認をするという流れになります。

基本的には講座にお任せでいいよ。
ボリューム自体はかなり少ないので全力で極めてくれ。
物足りなくなったらまた連絡しろと伝え今回の相談は終えました。
とにかくチャレンジ
今年の合格は正直厳しい、だけど今年を全力で駆け抜けてこそ次につながる。

長いこと話したけど、とにかくやってみることだよ。

おう!がんばるわ。

仕事しながらの勉強は大変だけど、だからこそ合格した時の感動はやばいよ。
多くの人は何かを抱えて、何かを変えたくてこの資格に挑みます。
決して簡単な試験ではありません。
ですが、初学者でも届く可能性のある資格です。
わずかな可能性ですが、Sには今年合格を勝ち取ってもらいたいです。
できるアドバイスは、書いていない部分も含めてできる限り伝えました。
後は彼が実際に行動するかどうか、結局はそれ次第だという話になります。