行政書士に限らずですが、資格取得を考えた時に、試験がどの程度の難しさなのか気になりますよね。
ほとんどの情報でこう書いています。
「行政書士は合格率が10%程度の難関の資格です。」
確かに、行政書士試験の合格率は10%程度です。
確かに、行政書士は難関の資格です。
ですが、合格率が10%程度=難関資格であるとは言えません。
資格試験において合格率と難易度に関連性はない。
なぜ、この話をするのかというと、
✅この記事を読むと以下の2つは間違った認識であることがわかります。
✘ ここ数年合格率が10%を超えているから、行政書士は簡単になった。
✘ 宅建士と合格率が変わらないから、宅建士と同程度の学習で合格できる。

合格率=難易度ではない。
難易度を語る際に合格率はとても語りやすい指標であることは間違いありません。
また、大学受験のような偏差値的な指標もありません。
そのため、資格の難易度を語ることは非常に難しいのです。
合格率が高い=簡単ではない。
合格率が高い資格は簡単である。
一見正しいように思います。
①の試験の合格率、34%
②の試験の合格率、43.1%
③の試験の合格率、92.1%
合格率=難易度であれば、一番難しいのは①で、最も優しいのが③であるといえます。
①の試験は2019年の司法試験の合格率です。
②の試験は2019年11月の日商簿記3級の合格率です。
③の試験は2020年2月の医師国家試験の合格率です。
医師と司法とどちらが難しいのかわかりませんが、少なくとも行政書士や簿記検定より何十倍も難しいことだけは誰にでもわかります。
合格率が高いから簡単だということはない。
逆もしかり、
合格率が低いから手も足も出ないほど難しいといことも一概にはいえない。
行政書士試験は簡単になってきているのか?
平成15年から平成24年まで行政書士試験の合格率は一桁でした。
平成27年以降は10%以上で合格率は推移しています。
そのため行政書士試験は簡単になってきている。
という話も出ていますが、はっきり言って全く簡単ではありません。
過去問をやっての個人的見解ではむしろ難しくなってきているとすら感じます。
合格率が平成半ばより上がっているから、行政書士は簡単になっている。
よって、過去問レベルで学習すれば十分合格を狙える。
宅建士と合格率が近いから同じような勉強で合格を狙える?
特に平成29年の行政書士の合格率は15.7%
同じ平成29年の宅建士の合格率は15.6%
とほぼ差がないために、宅建士と行政書士の難易度は同じという話が出ていました。

別にどちらが難しいかに興味はないのですが、危険性があるのであえて話します。
毎年、宅建合格者が同様の学習法で行政書士試験に不合格になる人が後を絶ちません。
共通科目の民法の過去問を見た感想を誤解を恐れずにはっきりいますと、
行政書士の合格を狙うのならば、宅建士の民法部分のレベルの問題はサービス問題です。
同じような学習法、同じ程度の学習量では全然足りません。
では、難易度はどうやって推し量るのか?
はっきり言って、無理です。
例えば、野球でヤンキースでプレイするのと、サッカーでバルセロナでプレイするのとどっちが現実的?
といわれても、どっちも現実的ではありません。
医者と弁護士どっちが難しいのかもわかりません。
どっちも難しいです。
難しいから挑戦しないのは自由です。
ですが、少なくとも行政書士の難易度は
社会人が働きながら
一年間、正しい方法で
しっかりと学習を積めば
十分合格を狙える難易度である。
合格率は確かに、難易度をわかりやすく伝えるための一つの指標としては便利です。
ですが、難易度と合格率をイコールにしてしまうと、その時点で勝負にならない危険性を孕んでいます。
この記事を書いた人
岡島 真