本試験まで残り3週間となりましたね。
私にとってこの超直前期の時期は今思い出しても不安しかなかった。
不安というより、もう絶対に受かる気がしない。
そのうえ、かなりきつい時期です。仕事以外の時間は徹底的に勉強につぎ込むわけですが、そんな無理な生活がいつまでも続くことはなく、疲労と不安で投げ出す理由を探すわけです。
そんな中で、資格には意味がないとか、行政書士なんてとっても意味がないとか、そんなノイズがすごくもっともらしく聞こえてくるのもこの時期なのです。
学習開始の時期には歯牙にもかけなかったこの手の話が非常に心地よく聞こえる時期なのです。
私自身、合格してからすでに2年たちました。
まだ開業はしていませんが、地味に日常が変化してます。
その変化を自分なりに分析していく中で、開業しなくても行政書士の資格を取るメリットがいくつか見えてきました。
今回はそのうちの一つである
開業の予定がなくても、独立開業できることがメリットであるという話をします。
足掻いて、足掻いて何とか合格をつかみ取りたいという人の気分転換になれば幸いです。
開業の予定がなくても、開業できる資格があれば有利になれる
なぞかけのような表現になってますが、
自身に独立の予定がなくても独立できる人
と
自身に独立の予定はなく、今後も独立の可能性がない人
との決定的な違いはなにか?
それは
心の余裕です。
理由を説明しますのでしばらくお付き合いください。
めちゃめちゃ脱線してるように見えますがきっちり話つながりますので、ぜひ最後まで読んでください。
一年で一番子供の自殺が多い日をしってますか?
一年の中で一番、子供の自殺が多い日があります。
9月1日です。
なぜか
夏休みが終わるから
夏休みが終わり学校が始まるからです。
同じ理由で5月も多いのです。GW明けです。
子供にとっては学校というのは世界のすべてです。
思い出してみて下さい、子どものころ学校に「行けない」子はいたかもしれませんが、
学校に「行かない」子を見たことありますか?
いじめやなんかの理由で学校に行けない子供はいました。
そうではなく、
自発的に学校に行かずに好きなことに打ち込むって宣言して行動する子どもいましたか?
少なくても私は知りません。
子供のなかでは学校が世界のすべてなのです。
その学校が辛いとどうなります?
生きていくのが辛くなる。
もちろん、子供の自殺の原因のすべてがこれだといっているわけではありませんが、少なくても大きな要素の一つであると考えています。
そんなにしんどいなら学校なんて行かなければいいじゃないか、それ大人も同じでは?
死ぬほどつらいなら、学校行かなくても生きていく道はいくつもあると大人になった今ではわかりますし、もし我が子が自らの命をはかりにかけるほど追い込まれているなら、
迷わずに「学校には行かなくていい、但し勉強はしなさい、勉強しないと人生の選択肢が増えない」
と言うでしょう。
でも、自分は?同じ立場ならすっぱりと辞められるのか?
と言うと、
辞められませんよね。
私が辞めたら家族はどうやって食べていくんだ?
でも、一方で
自分は一体何のために生きているのかわからなくなる。
そう、子どもたちにとっては学校が世界のすべてであったように、少なからず大人でも会社が世界の中心でそこから外れることは簡単なことではないと、無意識に思い込んでいます。
そうです、ただの思い込みなのです。
そう気が付かせてくれたのはこの行政書士の資格だったのです。
選択肢が増えるという安心感
人間選択肢が多ければ多いほど幸せになれるかと言ったら、そうではありません。
ですが、選択肢が全くないのはこれはこれで幸せであるとは言えないのです。
この辺は心理学に詳しい方にお任せしますが、数個程度の選択肢がある状態が一番バランスが良いといわれております。
サラリーマンをしていると選択肢は適正にあるか?
人によっては多くの選択肢がある人もいるでしょうが、私には3つしかありませんでした。
- このまま我慢して続ける
- 退職する
- 転職する
他には専業主夫になるという選択肢もあるにはあるでしょうが、私にはありませんでした。今後もありません。(家事や育児をしないとは言ってません、妻には遠く及ばないながらも世のお父さんの中では割とやっている方らしいです。ソースは妻の職場ですけどね。)
人によっては家業を継ぐとか、年配の方なら早期リタイヤも選択肢としてあるにはありますよね。
どれも私にはありません。
選択肢が3つでは少ないのです。
第4の選択肢ができ、無期限で有効
行政書士の資格を取得する最も大きなメリットは独立開業にかかる労力と費用が格段に低いことがあげられます。
弁護士のように何年も勉強にすべてをささげてようやく勝負なるほど難しいわけでも、
料理屋のように場所と設備が必要なわけでも、使用期限の短い食材を仕入れなければならないわけでもありません。
起業としては格段に簡単に始められます。(商売として成立できるかは別問題)
そうです、第4の選択肢ができたのです。
そのうえ、転職だと転職先から受け入れの承諾がもらえて成立するのは当然ですが、長い期間待ってくれることはまずありません。
その点、この資格は一生有効となってます。
肝心なのはいつでも起業することが可能である。という、選択肢が増えることにあります。
起業しないも経営判断。
起業したくてもできない。
起業できるけどしない。
この差はとてつもなくでかいです。
しないという人にはちゃんとしない理由がある。ビジネスモデルが構築できないとか、仕事をとれないないとか、何らかの絵が描けないから「しない」という選択肢を選ぶわけです。
そうです、少なからず経営者目線なのです。
会社でよく言われませんか?「経営者マインドを持て」と、
はっきり言ってピンときませんよね?
それもそのはずです、言ってる人がそもそもサラリーマンしか知らないから、
理屈はわかっても実感がわかない。
ですが、以前より格段に興味を持っている自分がいませんか?
だって、会社の発行する、自身の権限で閲覧可能な資料や帳票からでも経営の学習ができるんですよ。もちろん、推測であったり、断片的ではありますが生の実践的な学習が可能とか楽しいと思いませんか?
そして、誰にも怒られないどころかむしろ評価されたりします。
第4の選択肢を(今は)選ばない経営判断がもたらすものは、意欲と余裕
最初の話に戻しますと、逃げ道がないのはすごく心理的に辛いのです。
学校が世界のすべてであったように、会社が世界の中心であると勘違いをしていたように、心理的な負担が大きいと視野を狭め、心身ともに疲弊します。
張りつめた糸は切れやすいといいますよね。適度なあそびが必要で、その遊びとは心理的余裕があるかどうかということになります。
いつでも起業が可能であるが今はその選択をしないということ自体が、心理的なあそびであり、余裕であるのです。
さらに、いずれは経営者になるんだという自覚、自負は現状で吸収できる経営手法や経営思想を自分のものにする意欲につながっていきます。
だって、ただなんですよ。やらないと損じゃない。プラスもマイナスも体験できて責任は上がとってくるとか最高じゃないですか。
資格取得はゴールではない、活用してなんぼ。これも一つの活用
資格を取っただけでどうにかなるなんてことはまずありません。
とくに、行政書士は士業の中ではとびぬけて取得がしやすいわけです。
開業したらそれだけで食べていけるなんてまずないよな、というのは肌感覚でわかるわけです。
資格はそれだけでは意味がないというのもわかります。
ただ、目に見えるものだけが活用はないのです。
いつでも独立開業できるという心理的余裕をもてること、
起業するために次に自分に何が必要なのか、次の目標が明確になること、
今は独立しないという経営判断はいずれはGOになるのか、はたまたそれでもしないという判断になるのかわかりません。
多分どちらも正解なのですが、選べる道が一つ増えるだけで視野は広がり、感じ方は格段に変わるものだと実感しています。
苦労して取れば同じようなことを感じる方もいるのではないかと思います。
また、私とは全く別の感じ方をする人もいると思います。
苦労して取った人にしかわからない世界かもしれません。
開業しなくても、開業できること自体がメリットであり、これも資格の一つの活用法です。
ほかにも、目に見えない部分でたくさんメリットを感じていますのでまた別の記事でお伝えしようかと思います。
終わりに
何も、多くの人にこの資格にチャレンジしてほしくてこの記事を書いたわけではありません。今現在、すでに学習を開始して、頑張っている人に向けて書いたつもりです。
資格に意味はないとか、開業しないと取る意味はないとか、それ一面においては事実で、そして、もう一方では事実ではありません。
今回上げたメリットは人によっては何の価値もないものかもしれません。ですが、価値は人によって異なるのは当然のことで、もし合格後同じことを実感できる人がいるのならばそれは今の努力の結果です。
この苦しい時期を投げ出さずに駆け抜けたからにほかなりません。
ある人にとっては簡単な試験なのかもしれませんが、私には十分な難関でそれを突破できたことは私の人生において十分なメリットをもたらしてくれています。
頑張ってください。
この記事を書いた人
岡島 真