テキストは○○使っています。問題集は○○と○○を使っています。これで合格できますか?
こういう、疑問質問をよく見かけます。
自分が使っているテキストや問題集が効率よく得点するために最適なツールかどうかが気になる気持ちは非常によくわかります。
この質問はすごく多くの要素を含んでいるわけですが、今回は問題集についてクローズアップすることにします。
なぜかといいますと、別の記事にも書きましたが、テキストは正直問題が解ける知識が得られれば問題ないわけです。そのうえ、書店で購入できるどのテキストも正直似たり寄ったりでレベルに関しても、内容に関しても十分な性能があると思っています。
ただし、「問題集は○○と○○使っています。これで大丈夫ですか?」
この質問が出てくる時点で、ちょっと合格は危ないのではないかな?
と思うのです。
その理由を説明しますね。
市販の問題集って内容が過去問
私が受験勉強していたころ市販の問題集を5冊ほどやりました。
テキスト読んで問題をひたすら解くの繰り返した。
最初のころはそれで十分な手ごたえを感じていたわけですが、ある時気が付くわけです。
何かといいますと、
市販の問題集は内容の大半が過去問の抽出か似たような内容なのだと
市販の問題集は学習初期では非常に効率的な教材なのです。
誤解しないでほしいのは、過去問を抽出した問題集に意味がないといっているわけではありません。
むしろ、勉強の初期段階ではすごく効果的です。
力の付く良質な過去問が集められている、
さらに法学の中では基礎的な論点・判例から未出題か、出題されていても良問ではないものに関しては、少数ではあるものの、他資格の過去問、又はオリジナル問題として掲載されています。(もちろん、物によりますが)
なので、初期の頃の基礎固めにはもってこいな優れた教材であることは間違いありません。
しかしです。
勘の良い方はお分かりかと思いますが、
過去問レベルに到達もできない。
市販の問題集はほぼ過去問からの抽出であるため、過去問そのものを徹底的に10年分なり20年分やりこんだ人より知識量がどうしても少ないのです。
考えてみてください、仮に一問一答で1000問あったとしても、5肢択一なら200問相当です。
過去問4年分より少ない分量なのです。
その上さらに過去問だけで合格はできなくはないけど厳しいのが現実
何度も同じことを書いてますが、過去問を徹底的にやりこんで合格を勝ち取る人は確かにいます。
ですが、何かしらの+αがなければ過去問だけでは正直厳しいと考えています。
例えば、政経社で得点を詰める知識量をそもそも持ち合わせている方や、2択にまで絞り込んだ先で正解にたどり着ける嗅覚みたいなもの、そして運もあります。
年に一度しかない試験でそれに頼る勇気、そして結果を出せることは素晴らしいと思います。持ってる人は持ってるんですね。羨ましい限りです。
ですが、私にはできませんでした。
じゃあ、他資格や公務員の問題をやればよいのか?
司法書士や公務員の問題集を使う方はいます。
ですが、私はお勧めしません。
司法書士を例に上げれば、(そこまで詳しく過去問見たわけではありませんが)問われている知識量は行政書士よりはるかに多いです。
多いというより、細かいといった方が良いかもしれません。
例えば、民法の根抵当がわかりやすいかもしれませんね。
行政書士での出題頻度はかなり低いです。記憶が正しければ20年間で2,3度出題あったかどうかで、テキストによっては掲載もされていないものもあるレベルです。
(個人的には概要は押さえておくべきだと思います。頻度が低いとはいえ出題はされているわけですから)
司法書士はいうと、かなり詳しく根抵当学習するそうです。それは、実務上根抵当の登記があるからですね。
出題の可能性が低い分野を細かく勉強するのは、基礎が固まり択一だけで180点以上を狙う人が最後の最後にやることです。
やって損なことはありませんが、学習効率としてはとても悪いです。
じゃあ結局どうすればよいのか
学習初期には市販の問題集は効率の良い教材です。これに異論はありません。
いきなり過去問にぶつかっても、奇問もあれば難問もあります。
捨て問という取れなくても支障のない問題もあります。
学習初期ではその取捨選択ができないので、出題頻度が高い分野をピックアップしている問題集の価値は高いです。
ですが、それだけで学習を完結できるわけではありません。
問題集で問われているレベルを身に着けたら、徹底的に過去問に取り組む必要があります。
これが過去問レベルと言われる、当落線上ぎりぎりを競えるレベルです。
さらにその上、合格を十分に狙えるレベルに達するためには、過去問の周辺分野を抑えていく、このころにはテキストで未出題の分野で出題されるかもしれない部分に関しては自分なりの予測ができるようになっていると思います。
まとめ
行政書士試験が独学で合格するためには市販の問題集だけでは不十分である。
理由は、市販の問題集の多くは過去問からの抽出や類似問題であり、問題数も少ない。
よって、過去問レベルにもそれだけでは到達できない。
ただし、問題集は基礎を身に着けるために優れた教材であるため、ここで問われている分野は完ぺきにやりこむ必要がある。
その先に過去問をやりこむ。
最後に、過去問周辺の知識を
最後に
もっと効率よく学習を勧めたいのであれば、有料講座を利用するのも手段です。
独学はどうしても効率に欠けます。これはどうにもなりません。
独学合格者が後進に有料講座を進める理由の一つはここにあったります。他にもありますけどね。

学習効率を考えた時に、これは強力な武器になりえます。是非利用して、ラストスパートかけてください。

この記事を書いた人
岡島 真